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えほんのこトバ展  海と生きる鳥羽のまち・ひと

「えほんのこトバ展海と生きる鳥羽のまち・ひと」は、私が22年間生まれ育った三重県鳥羽市の海の魅力を伝える 展示です。展示では漁道具や貝殻も実際に鳥羽の海で拾ったもの、使われたものを置き、時間を忘れ、子どもも大人も楽しめる心地よい鳥羽の海をイメージしました。壁面を大型絵本に見立て、絵本の中にいるような空間を 作りました。鳥羽の海を舞台にした「おふろばのあまさん」、「みつしまのひみつ」、「おじいちゃんの船」の絵本を手がけ、この絵本を持って鳥羽を出かける旅行冊子「えほんのこトバ」も制作しました。鳥羽に残る独自 の文化や土地、海の恵みを守りこの先も伝えていけたらなと思います。

情報表現領域  森下 実桜 Mio Morishita

担当教員コメント

えほんのこトバ展は、烏羽で生まれ育った森下実桜さんの絵本の世界観を余すところなく表現した空間。最初に彼女と出会っ たのは、2年生の絵本テザインの授業。鳥羽から名古屋まで片道2時間以上かかる電車に揺られながら、誰よりも早くストーリーとイラストレーションを描き上げたのは、この授業を受けるずっと以前から温め続けたアイデアがあったに違いありません。絵本制作に対する並々ならぬ清熱がひしひしと伝わってきたことを昨日のように覚えています。3年生では、彼女らしい柔らかなフォルムの登場人物から滲み出る温かさをそのままに、曖昧な 表現を削ぎ落とし妥協を許さない新たなラインやタッチを見出す実験を行いました。そして4年間の集大成として選んだテーマは、鳥詞を題材にした3冊の絵本。彼女が見続けた海の青さ、潮の香りまで感じられ、鳥羽の地 にしっかりと根を下ろし生きている人たちの眼差しまで伝わってくる作品となりました。