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ジュエリーデザイナー 湯上幸保さん


Profile

湯上幸保さん

湯上 幸保さん

ジュエリーデザインコース卒業後、株式会社ケイウノに入社。
株式会社ケイウノ / 製造部 店舗宝飾課に勤務。

株式会社ケイウノ

お仕事について教えてください。

今は原型からキャスト(鋳造)して金属になった後の地金加工をしています。主に金属を磨く仕事ですね。キャスト上がりのザラザラした状態から、いかに形を崩さずピカピカに綺麗に磨くか、これが本当に難しいんです。様々な道具を使って磨きますが、この場所はこれを使うという決まったものはほとんどなく、自分で何をどう使うか考えたり聞いたり先輩の作業を見て学んだりしながら最適なものを見つけ、スピードと精度の両方をあげていきます。そして他にも、刻印、ダイヤや色石の石留め、リングのサイズ直し、バーナーを使ったロウ付けなども行います。

今のお仕事のやりがいや、楽しいことを教えてください。

加工の仕事をしている時、自分の加工しているこのジュエリーが誰かの一生の宝物になるんだ…と思うと大きなやりがいを感じます。
入社してしばらくは関東の大きな工房で働いていたため、お客様と直接接する機会はほとんどありませんでしたが、今は地元の名古屋で店舗職人を任せていただけるようになり、お客様と接する機会や販売員の方からお客様がジュエリーに込めた思いやエピソードを詳しく聞けることが多くなりました。オーダーメイドの会社であるからこそ、細かいデザインのひとつひとつにお客様の思いがあり、その思いを汲み取って、世界に一つだけのジュエリーを作り上げる職人の1人であることに誇りを感じます。まだまだ未熟ではありますが…。
そして、入社してから自分のできることが少しずつ増え、任せていただける工程の種類も少しずつ多くなっていくことがとても嬉しくて楽しいです。

絵を描くことやものづくりに興味を持ったのはいつからですか?

小学生ぐらいだと思います。小さい頃から漫画が大好きで、小中は友達同士で絵を描いて交換したり、自分で漫画を描いてネットに公開したりしていました。高校で本格的に絵を学びたいと思い、名古屋市立工芸高校のデザイン科に入学し、そこで幅広く様々なデザインや美術を学んでいくうちに立体系に興味を持つようになり、名古屋造形大学に進学しました。

なぜ名古屋造形大学に進学しようと決めたのですか?

高校の授業で鉄の溶接の授業があり、そこで初めて金属の加工について学びました。元々アクセサリーが好きだったことや、シルバージュエリーのお店で職業体験させていただいたことなどがあり、ジュエリー加工についてしっかり学びたいと思っていた中、実家から近く、4年制の大学でジュエリーのことを学べる名古屋造形大学のことを知り、教職免許もとれることなどもあり、名古屋造形大学1本で決めていました。
あと、大学に猫がいたことも気になっていた理由の一つです(笑)

ジュエリーデザインコースに入ってみて、どうでしたか?

本当に本格的にジュエリーについて学べました。その内容も幅広く、木材や陶器を扱うものから、ワックスや地金ハンドメイド、ロウ付け、石留めなどの基本的な技術や、シルバークレイや螺鈿のような少し珍しいものまで様々です。作ったワックス原型を石膏で型取りし、金属を溶かして流し込むキャストという作業も自分たちで行います。勿論、先生からサポートを受けつつです。更にデザイン画や、CADと呼ばれる3Dソフトについても学びましたね。まさにジュエリーづくりの最初から最後まで、といった感じです。
コースの雰囲気は、先生方も親しみやすい方が多かったため、とても楽しみながら学ぶことができました。その先生方の1人が今の会社の上司にあたります。工房も2か所ありますが、同じ場所で他学年が授業することも多く、先輩後輩の繋がりもあります。

印象的な授業はありますか?

ひとつは企業の方にご協力いただき、初めてゴールドと本物の宝石(ルース)を使ってジュエリーをつくった授業です。それまではシルバーとキュービックジルコニアという人工石を使っていました。まずルースを見ていくつかデザイン画を描き起こし、企業の方と相談しながら作る原案を決定し、自分でイチから制作して、完成したものは実際に展示会で販売しました。自分で作ったジュエリーが誰かの手に渡っていくその嬉しさを、この授業で学ぶことができました。
もうひとつはCADを使ってジュエリーの原型データを作る授業です。ライノセラスとフリーフォームという3Dソフトで、私の卒業制作にも使いました。特にフリーフォームというソフトはペンタブレットの3D版のような感じで、画面とペンが連動していて、画面にある粘土のような原型をペンで削ったり盛ったりするのですが、その時に実際にそこに物があるかのようにペンがぶつかる感触があります。CADは自分の思うような形にするのが難しかったですが、最新のソフトを学ぶことができて貴重な体験でした。

大学年次に制作したブローチ(K18YG、シトリン、ダイヤ4P)

大学で大変だったことはありますか?

やっぱり卒業制作です…。シンデレラのガラスの靴に見立てた透明レジンの靴を制作しました。CADでデータを作り、原型を3Dプリンターで作ったあとシリコンと石膏で型取りし、レジンを流し込んで作りました。そのために3Dモデルの研究所へ行って専門家の方にご指導とアドバイスを受けたり、先生方にもたくさんご協力いただいたり、何回も失敗と試行錯誤を繰り返しながら、なんとか完成まで持っていくことができました。
授業の単位は1、2年で詰め込んでほとんど取っていたので…後半の3、4年はだいぶ楽でした(笑)だからその分、卒業制作に時間をかけることができ、良かったです。

大学生時代の自分に会えるなら、なんて声をかけますか?

やっぱり、今まで学生でいた分、初めて社会に出た時はその大変さやギャップに挫折しそうになる時もあります。
私は就職すると同時に実家を離れて一人暮らしを始めました。最初は頼れる人も身近におらず、助けてもらうことができない、1人でなんでもしなくてはいけない環境がとても辛い時期もありました。しかしその時期を乗り越えたからこそ、今、一つの店舗を任せていただけるようになりました、仕事も一進一退を繰り返しながらも少しずつスキルアップしていけるようになったと思います。
就職する前は不安で不安で仕方ないですが、続けていれば必ずできるようになる時が来るので心配しないで、と言いたいですね。