作品紹介 | Media Design Exhibition 2020

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オトヅクリとエイゾウ

映像

4年

  • 伊藤 良太

動画

作品画像

  • 画像: オトヅクリとエイゾウ
  • 画像: オトヅクリとエイゾウ

作品解説

映像制作と楽曲制作を今までしてきましたが、MVを作ったのが3年次生の時のプロトタイプ展で制作をして依頼の作品でした。
以前MV制作の依頼が友人から会った時、その友人からは映像に関して全て任せると言われプロットを書いて絵コンテを描き演者のキャスティングまでまとめて、撮影が始まる前に友人に確認をしたところ、友人(楽曲制作者)のイメージとは内容の雰囲気が違ったらしく、そこから友人とのMVの話は白紙になりました。その時自分は映像制作者と楽曲制作者との間で曲のイメージの不一致が生まれる場合があることを感じました。
そこから今回自分で曲を作り自分でMVを作ることにしました。

楽曲には曲の雰囲気と歌詞によってイメージが作られると思います。ただそれは制作者の主観的考えとその楽曲を聴く人間の客観的考えがあります。
例をあげるとYOASOBIというアーティストの”夜に駆ける”という曲があり、その曲は小説を楽曲化したものです。楽曲のイメージを自分の周りの人達と話をした時、ポップな曲と思っている人がほとんどでした。ですがこの楽曲は”タナトスの誘惑”をテーマに書かれた小説を楽曲化されたものでした。このように人はいろんな考えを持ちそれぞれに感じるものの差が生まれる。

今回僕が作った曲”遠恋”には遠距離恋愛の曲のようにも聞こえるが、歌詞に含まれる言葉には別れを連想させるものも含まれています。
例えが歌詞の中に「アネモネが咲く頃です」というのがあります。アネモネは色別では別れを連想させる花言葉はありませんが、全般的な花言葉の意味は「はかない恋」「恋の苦しみ」「見捨てられた」という切ない意味が含まれます。それに加えて、今年は人と会うことを制限された年であり目に見える距離が近くとも、離れていることが多かったこともあるかもしれません。体ではなく、心の”遠恋”という考えも生まれてきます。
映像では御伽噺という楽曲で歌詞や曲名とは対照的な日常を映像にしています。これも楽曲制作者であり映像制作者の自分だからこそ自由に制作したものです。御伽噺という空想であり想像のものに対して日常の1ページをきりとった映像です。
今回は自分で曲を作り自分で映像を作るというものでした。チーム制作でもないので全てが主観の制作でした。

自分は歌が下手でありまだまだ未熟な技術、設備ですが見てくださる人全て、僕以外の人間全てがいろんな意味を想像して観ることができるものです。
社会に出て何事も全て自分でやるというものは少なくなっていくと思います。今の自分が、2020年の僕が感じた制作です。