今尾真也さん

今尾真也

岐阜県各務原市生まれ。
2014年株式会社リトルクリエイティブセンターを創業。2014年に出版とメディアのさかだちブックスを立ち上げ、2016年に一般社団法人かかみがはら暮らし委員会の設立に参加。現在、代表取締役社長。2017年からは本社と東京の多拠点生活。







 
 

―どのようなお仕事をされていますか?

リトルクリエイティブセンターというデザイン会社を起業し、グラフィックデザインをベースに企業やお店のデザインから商品の企画やディレクション、物販からイベント企画など色々なことを行っています。企業やお店だけでなく、最近では行政と企画を行うことも多く、地方ゆえに幅広くデザインをしています。
他にも、デザインを軸に『ALASKA BUNGU』『さかだちブックス』の運営、『KAKAMIGAHARA STAND』や『やながせ倉庫団地』『SUNDAY BUILDING MARKET』の共同運営も行っています。

―この商店街で立ち上げるキッカケとなった出来事は何ですか?

大学3年生の頃、創業メンバーである僕と石黒公平、横山七絵の3人でコンペに作品を出して、「KOKUYO DESIGN AWARD」や「読売テレビ学生クリエーター大賞」などで受賞して賞金を得たのがキッカケです。その賞金を3等分するよりかは、せっかくならみんなでこのお金を使って面白いことをした方が良いんじゃないか……ということで、当時はコンペの相談などをよくファミレスで打ち合わせしていたので、それなら場所が欲しいねという結論に至り、僕ら3人とも岐阜が地元なので今のやながせ倉庫を借りたのが始まりです。

 

―学生時代から積極的に活動されていたのですね、どうしてそんなに活動的だったのですか?

元々の自分の性格もあると思うんですが、やっぱり不安だったからですね。あの時の気持ちは、未だに鮮明に覚えています。同級生が東京の美術やデザインを学べる大学に進学して、同級生から話を聞くと、雑誌でしか見たことがない建物やグラフィックをすぐに体験することができたり、有名なデザイナーが身近で話せたりと、地方にいることにコンプレックスを感じていたので、色んな展覧会やトークイベントを自分で調べ足を運んでました。とにかく、どうにかしなきゃいけないという思いで、僕らなりに外に出ることにチャレンジしていったんです。

―どうして起業したのですか?

起業したい!と思って起業したわけでなく、在学中から関わっていた商店街の方々との縁がやっぱり大きかったですかね。
大学を卒業してから数年は東京のデザイン事務所で働いていたのですが、クライアントが遠すぎて、仕事にあまりやりがいを持てなくて。もっとお客さんの近くでデザインをしたいなと思い、始めたのがキッカケです。最初はデザイン会社でなく『ALASKA BUNGU』という文具屋からの始まりでした。

 

△  ALASKA BUNGU店内

―なぜ『ALASKA BUNGU』を始めたのですか?

当時、地方でデザインを仕事にするのはなかなか難しくて、オリジナル商品を作り全国に卸していけば、どうにか生活できるんじゃないかと思い始めました(笑)
ありがたい事に、商品を作ってお店を運営していたら、街の方々からお店のデザインのお願いされるようになって、デザインの仕事も始まっていきました。

―その後『さかだちブックス』が出来たのはなぜですか?

街でデザインの仕事をして、たくさんの面白いお客さんと関わっていくうちに「この人達をもっとたくさんの人達に知ってもらいたいな」と思うようになり『さかだちブックス』を始めました。メディアが中心ですが、本も出版していて、全国の本屋さんで岐阜の事を知ってもらえるキッカケになっています。

 

△  さかだちブックスによる書籍など

―仕事で意識していることを教えて下さい。

デザイン会社はどうしても都市部に多いので、地方ではデザインという業種自体があまり浸透していないんです。なので始まった当初は、デザインを伝えながら仕事をしていきました。例えば「お店の看板を作ってほしい」と言われたら「じゃあロゴを作りませんか?」と提案し、ロゴを一緒に考えながら、お店の雰囲気やお店のターゲットや方向性などを一緒に生み出していくことを大切にしています。

―デザインを伝えながら仕事をする…とのことですが、今尾さんにとってデザインとはなんですか?

本質的なとこを表層に起こす行為ですかね。どうしても表層であるビジュアル面ばかり注目されてしまいがちですが、表層を作る為には、しっかりと中身を作らないといけない。そう考えた上で、その中身を表層に出すことが大切だと思います。文章にしたり絵にしたり、何を伝えて何をするべきか、外にどう伝えるか、それを考える作業がデザインですね。感覚的なものばかりに目がいきがちですが、論理的に、計画的に作っていかなければいけない仕事です。学生時代は僕もデザインが何なのか全然わかりませんでしたが、色々と仕事をさせてもらうようになって、デザインは社会や人々にとって、とても必要な仕事だと強く感じています。

 

△  オリジナル商品も多く手掛けています(美濃和紙を使った高級履歴書など)

―仕事で大変なことはなんですか?

”デザイン”で成果を出すことですかね。デザインと経営って密接に関わっていて、売り上げを上げどれくらい利益をもたらすか、何人集客が増えたかとか、結果の部分をどうしても数字で表現しないといけない部分が多いんです。でも、それぞれの企業がかけられる費用によっても、社会にアプローチする手段や度合いが変わってきますし、なかなか同じ手段は取れないので、毎回違うアプローチを考えるのが大変です。色々と制約が多い方が大変ですが、その分楽しい部分も多かったりします。

―デザイナーに向いている人はどんな人ですか?

物事を論理的に考えられる人が向いてると思います。デザインって計画的なものなので、しっかり物事を建設的に積み立てて計算しないといけないんです。あとは、クイズを問くのが好きな人は向いているんじゃないかと(笑)

 

△  かかみがはらスタンド

―今後はどうしていきたいですか?

楽しい事を常にしていきたいなと思っています。あとは、こうやって仕事ができるのも色々な方にお世話になっている上で成り立っているので、そんな方々に少しでも恩返ししたい、喜んでもらいたい……と、ずっと思っています。

―最後に、美大進学を悩んでいる高校生へメッセージを!

デザインや美術をやりたいなら美大へ進めばいいと思います。逆に言うと、美大に行かないで他の学部の方が安全だな…と考えてしまう人は、大学を卒業した後にデザインや美術の世界で仕事として生きていくのは大変な道のりかもしれません。色んな進路と比較して、自分が一番やりたいことであるならば、迷わずに選択した方が良いと、僕は思いますね。

ありがとうございました!



活動PICKUP

 

岐阜の柳ヶ瀬で毎月第3日曜日に開催されるマーケット。
リトルクリエイティブセンターも運営に携わっています。
本学在卒生も出店しておりますので、ぜひお越しくださいませ。