Sputnik_Tateishi Masahide

初めまして.プロダクト4年の立石雅英です。

今日は私がこの場を借りて自分の卒業制作を紹介します。

作品名はSPUTNIK。スプートニクと読みます。

1950年代後半、人類発の人工衛星スプートニク号からこの名前をつけました。

スプートニク号

そして作品の全体写真。

左からラック( 棚 )。スピーカー。照明です。

スプートニクという名前はこの作品群の総称のことで.それぞれ

ラック_001 スピーカー_002 照明_003 となります。

これは使われていなかった高いスペースからその空間をデザインする為の物です。

大まかな説明は前回の記事に書いてあるので.少し省きます。

今回は本来見せない(見せられない)製作過程や現在のアイデアまでをどんどん紹介していきます。

「卒業制作なにつくろう」って時期からハッキリしていた想いがありました。

▶未来の技術に頼らない。

映画を見ているように.別世界の物に見られてしまう感じが嫌いだったんです。どうせなら体感できるほうがいいなと思っていました。

未来のように見えて未来じゃない感覚。

▶ズレたデザイン。

デザインの歴史に流れがあるとしたら.今いる位置から半歩ズレたところを狙っていました。

”一歩”ではなく”半歩ずれる”というのがミソです。

大きくはこの2つです。

「売れる物」とか「展示映えする物」とか「以外に作り易い」とかイヤラシい想いは沢山ありますけどね(笑)

一年間の卒業制作ですが、まずスタートは”エコ”から始まっています。「エコ」ってなんなんでしょうね。

よくある「エコな物」ってアピールしてるものが好きではなかったんですよ。本質ではなくエコって言えることが大事みたいで。

単純にもっと違う方法があるんじゃないの?っていつも思ってたので.それを提案してみようと。。。

初めのうちは「『そのへんにあるもの』でつくったプロダクト」をテーマに進めていました。

最も身近なもの。水。土。草。空気。これらのでつくったものなら「棄てる」ではなく「還す」ことができますよね。

だんだん本質的な部分に近づいていきます。

初期のスケッチでは空気という形のないものをバルーンや真空で具体化したり。

空気感って何?といったことを自分に対して問いています。

具体に形を描いていますが.言葉のメモより直感的なのでなるべく絵で残すようにしています。

上の写真のように膜の中に「閉じ込めて空気を使う」ことを考えながらも

「閉じ込めないで空気を使う」ということも考えていました。←何それって感じですよね.例えば

日本では昔から簡易的な仕切りで空間を特別なものにする文化がありますね。

「クツを脱いで一段上がって家に入る。」とか「障子のような薄っぺらいもので部屋と部屋を仕切る。」とか

日本は”空間”の考え方が優秀なんです。

「 ” それ ” があることによってその場所を特別な物にするもの」

ある意味これも空気を使っているのではないかと考えたんです。

今思えば地球上にある物で空気を使っていないものなんてないんですけどね(笑)

何度かあったプレゼンでは写真(上)のように使っていない空間に対して

”何か”をできるようにする為の組み立て式のアイデアも提案しました。

展示会場でのインパクトを狙い過ぎてどこでどうやって使うのかが…結果的にこの提案は却下になりましたが、

使っていない空気=空間をうまく生かすという意味でターニングポイントとなった提案でした。

現在の”スプートニク”はこの提案をぎゅっと一つに凝縮したものになります。

ここでようやく現在の形が見えてきました。ここでは脚が3本の背の高い棚です。

これまで使っていなかった空間に対してアクションを起こすものであり、

壁や天井にもたれ掛からないことで設置場所の自由度をあげています。

UFOみたいなイメージも見られますね。

段ボールとかその辺にあったもので試作。

大きさや大まかな形は頻繁に作って試します。絵を視覚だけで感じ取ることと、

実寸スケールで5感で体感することは随分差があります。

形の提案の一部。試作から感じ取ったことを基にアイデアを展開していきます。

展開して、また模型も作ります。これの繰り返し。

教授達に全然理解されなかったので構造モデルも作る事にしました。このへん勝負ですね。

主観的に理解することと、客観的に理解してもらうこともまた違うわけです。

ステンレスパイプとMDFで強度も実証。

MDFは加工しやすく.小口面もきれいなのでモックアップにはよく使います。

天板のサークルカットは木工室で見た機械を参考に。陶芸用のろくろに乗せて回し切ります。

※間違った使い方です.絶対に真似しないで下さい。

パイプの切断はパイプカッターで行います。¥1500くらい。

角度はつけられませんが2分くらいで手軽に切ることができます。ノコを使った切断と違い

円盤状の刃で締め切るので切断面がとてもきれい!重宝しています。

この状態でプレゼン。賛否両論。想像してたとおり。

意見の中には.危険性の指摘やもっと魅力のある造形を.など様々。

それらの指摘をスプートニクに注入することでさらに変化をさせていきます。

例えば.冬のひっつき虫「センタングサ」に【飛ぶ】という遺伝子を注入

したら「タンポポ」のようになるかもしれませんね。そんな感じです。

実はこの時点ではまだ「スプートニク」は「スプートニク」ではなく

このタイミングで【宇宙船スプートニク号】という遺伝子を注入し.大きく変化していきます。

デザインコンセプトやテーマを「宇宙」に絞ったことで.様々なアイデアが出現.埋めこんでいきます。

現在の形にとても近くなりましたね。もう日程ギリギリ。

かたちが決まればあとは製作。

外注という裏ワザもありますが、自分でつくります。理由は大変だから。

社会に出る前に少しでも作る大変さを知っとこうということです。

スプートニクoo2_スピーカーの製作模様。

スピーカーの設計図。容積計算してます。外の半球と内側の半球の比率なんかを音出しながら設計。

この辺は田原迫教授に協力してもらいました。「ここは譲れない」の攻防戦ですね。戦いました…。

試作用にバランスボールを使ってFRPの半球を作りました。

ボールの周りにFRPを張り付け.乾燥したら穴をあけてバランスボールを取り出します。

本番のアクリルの前に音のチェックやサイズ感の確認用。

天板はベニア。この時の音はちょうどティンパニーのように「張りがあるがこもった低音」という印象。

3Dも使います。大きさのバランスや部品と部品の距離も

3Dで書き上げたものから測ったりすることで効率的に進められます。

こちらはスプートニク001_ラックの製作風景です。

スピーカーではないラックの製作風景。

プレゼンで出した形を引き継いだもの。

FRPを使う前に発泡剤(フォーム)を削って心材を作っていきます。

|ペイント|繊維層|心材|繊維層|ペイント|

こんな感じでサンドイッチ構造にするとボリュームがあるのに軽くて強いものが作れます。

パイプがささる部分は一回り大きいアルミのパイプの周りに心材とパテで造形。

こちらはアルミダクトを加工して表面をきれいにしてつくっています。

中に照明が入たっときにアルミの反射で光源以上の光が出るように考えて素材もえらんでいきます。

スピーカーの円錐反射板はウレタンを削り出し.表面をパテで盛り.真空成形で形をトレースしています。

他の部分も形を決めていきます。もちろん全てに理由があります

細かいコツなんかはもっとありますが.大まかにはこのようにしてできています。

最後に撮影.こんなところも身近にあるものと友人達の協力によって出来ています。

みんなありがとう!!!

展示ではこれらのスケッチなども展示できればと思っています。

私も会場のどこかにいると思いますので製作秘話や.プレゼン.お仕事の話などあれば気軽に呼んで下さい。

最後に長文.乱文すみませんでした。

プロダクト4年

立石雅英_Tateishi Masahide