8月21日(日)晴れ

お昼前に家を出て名古屋へ。

炎天下の白川公園では水辺で涼を取る人たちが…
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よく見るとほとんどの人がスマホをさわっている。

不思議な光景だが、まあ、読書したり新聞読んだり、新聞のクロスワードパズルしてる人たちなら昔からいたので、そう考えると別に奇妙な風景とは思えなくなってきた。メールのやり取りはなかったけどね…

名古屋市科学館。
真夏の太陽を浴びて、玉もひときわ元気に輝いている。
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ロケットはどてっと寝っ転がっている。

どっか〜ん!
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会場の名古屋市美術館前ではジョアン・モデの展示。
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午後1時半から名古屋市美術館で、あいちトリエンナーレ2016レクチャープログラムとして開催される「言葉の記録 日本現代美術のオーラルヒストリー」を聴いた。
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「80年代後半から90年代前半の名古屋のアートシーンをめぐって」というタイトルで行われたシンポジウムでは、造形作家の庄司達氏、東京大学准教授の加冶屋健司氏、愛知県美術館館長の島敦彦氏、そして、名古屋芸術大学教授の高橋綾子氏が登壇され、興味深い話が展開された。

まず、オーラルヒストリーという形でこのような興味深い(時として歴史の陰に埋もれたままになってしまう)話が記録されることの価値は大きいと思う。

実は、私は名古屋のアートが最も盛んだった頃の様子をほとんど知らない。・・・というか、1982年に一度名古屋のギャラリーASGで個展を行ったことがあり、その時は随分現代アートが盛んなところだ、という印象を持ったが、その後、1990年の末にこの地域に住むようになるまで、いや、なってからも正直なところあまり良く知らなかった。

幾つかの歴史的事件(若干ゴシップ的なことも含めて)は知っているが断片的であって、繋がっていなかったのだが、それが庄司さんのお話でかなり繋がってきた。その意味で、大変興味深く聴かせていただいた。

また、何より庄司達という作家の作品について作家本人の口から語られたことの意味は大変大きい。今日は「80年代後半から90年代前半の名古屋のアートシーン」に関連して語られたのだが、庄司さんの生い立ちから今日の作品に至るまでの流れが見えてきたことは私にとって大変意味があったし、嬉しい経験だった。

今回のシンポジウムについては髙橋綾子さんのご尽力に負うところが大きいのではないかと想像するが、ともすれば、東京中心に語られがちな美術の歴史がこのような形で記録されてゆくことは大変意義のあることだと思うし、さらに複数の視点からの記録が残されてゆくことを期待したい。

私自身、若い頃東京でお世話になったギャラリストのお話を最晩年に何度か伺う機会があり、是非残しておきたいと思いつつ、ついにかなわなかったことを残念に思うが、日本の色んな場所でこのようなことがなされてゆく流れにならないものかと心から思う。日本の美術の次の展開に繋がる可能性もあり、大変意義深いことと思う。

その後、一つ用を済ましてオアシス21へ。

暑かった一日が暮れようとしている。
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ビルの壁面にべたっと貼り付くような陽の光を見ながらバス停へと向かった。
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今日は充実した一日だった。