朝、日が昇ると気温もぐんぐん上昇する。
天気予報で最高気温が37度というようなことは以前は考えられないことだった。
子供の頃には35度を超える日なんて滅多に無かったように思う。
それが、このところ40度超えの地域が続出。
こんな数字に馴れてしまうのが恐ろしい。
午前10時半頃に名鉄東岡崎駅に到着。
今日はあいちトリエンナーレ、岡崎会場の視察だ。
東岡崎駅の会場から外を眺めると、オノ・ヨーコさんの作品が見える。
芸術監督の五十嵐太郎さんが解説してくれる。
背後は青木野枝さんの作品。
お昼は皆さんで混ぜうどん。
味噌味のタレが利いていて、酢とラー油を混ぜて食べたら美味しかった。
岡崎シビコでは大規模な展示が多く、特に屋上の studio velocity / 栗原健太郎+岩月美穂 によるインスタレーションには強い印象を受けた。日差しが非常に強い日だったので、真っ白に塗られた屋上の床面や壁面から反射する光が強烈で、とても目を開けていられなかった。
サングラスを借りてかろうじて目を開けることができたが、よく見ると、中空2.5mほどの位置に碁盤の目状に細い糸が張り巡らされている。
朝礼台のようなものが置かれていて、そこに上り目の高さが変わると風景が違った様相を見せてくる。パース図の線のようにも見え、何か立体構造物の基準線にも見える。視線を水平に移すに従って糸の密度が増し、風景に霞がかかったように見える。
この作品の仕事の総量は非常に多いのだが、考え方そのものは非常にシンプルだ。しかし、風景の見え方(捉え方)として、我々に鮮やかな切り口を見せてくれる。
非常に知的な作品だった。
その後、旧連尺ショールームや春ビルの展示を見て東岡崎駅に戻り、
またまた”生きる喜び”を見て帰途に就いた。
昨日、今日と盛り沢山な一日だった。
展覧会の個々の作品には色々な評価が付きものだが、私たちの世代からすれば、かつて国内で滅多に見ることができなかった大規模な国際展を近くで見ることができるようになっただけでも素晴らしいことだ。
現在、瀬戸内でも国際芸術祭が開かれているが、かつてベネチアやカッセル、そしてミュンスターで見たような現代アートの国際展を身近で体験できるようになったことに隔世の感を抱く。
これからも、日本の各地でこのような国際展が計画されるようだが、評価が定まった(本来の意味でクラシックな)作品を押し頂いて観るだけではなく、同時代の(コンテンポラリーな)作品を自ら評価する醍醐味を日本人が判りかけているとしたら、これは誠に喜ばしいことだと思う。新たな土壌から次の世代が全く新しい表現を作り出してゆくに違いない。
アートがあることは確かに「生きる喜び」に違いない。