国立がんセンター。

教員・職員, 研究

世の中知らない事がいっぱいだから面白いと思った今日この頃。
デジタルメディアデザインコース@たかひこんです。

昨日、ちょっと仕事の関係で千葉県にある国立がんセンターへ行ってきました、国立がんセンターはがんの臨床開発などを行う臨床開発センターが併設されていて、日夜がん治療にための医療開発が行われています、今回はちょっと番外編的な内容ですが、興味深い事が多かったので長々と書いてみたいと思います。

今回は画像診断と呼ばれるCTやMIRといった機器を使う診断の最先端を見学する事ができました、これが想像を遥かに超える驚きの連続でした・・・CTやMIRについては皆さんも良くご存知かと思います、CTはX線を使った器具で、簡単に言うとレントゲンのデカイの、体を輪切りにした画像を生成する事が出来ます。

このCTは、レントゲンと同じくX線を利用してるので放射線が出ます、つまり被爆するので、常に従事されるお医者さんは患者さんとちがい被爆量が増えるので、随所に遮蔽壁が設けられてます、放射線を通さない鉛を使った鉛ガラス(クリスタルガラス)はなんと300万前後とか・・・。

MRIは磁気を使った診断装置、核磁気共鳴画像法と言うそうな、 超伝導磁石で強力な磁場を作ってるので、磁石にくっつく金属は全て外さないと近づけません、磁気を利用するデッジタル機器は使えないので、もちろんデジカメなんて無理、遠くから撮影。ボスがなにやら説明を聞いています、磁力で肩こり治ったりして・・・。

MIR室で使う医療機材は全部磁力対策品らしくコストが高いらしいです、ステンレスは磁石に付かないのでステンレス製の物が多かった、酸素ボンベや車いすなどは危険で、下の絵にあるように磁場が強くて引っ張られて飛んで行くらしい・・・恐ろしい。でも職業柄か随所に貼られたデザインがやっぱり気になってしまいます、絵でもボンベ飛んでます(笑)

そうそう病院でみられるこの扇風機みたいなマークは、放射能標識と言います、スリッパにも放射能標識(笑)放射能や放射線が出る施設や物に記載されます、危険を表すピクトグラムですので是非覚えておきましょう。

画像診断のなかでも、造影剤などを体内に入れる方法がありますが、そのなかでもポジトロン断層法PETという核医学はちょっと桁外れの驚きでした、CTやMIRは組織の形態を観察するので形態画像というらしく、PETなどの組織機能を観察するのを機能画像といいます、この機能画像を撮影する事で体内にあるがんを見つける技術が凄いんです。

まず、がんはブドウ糖を大量に接種するらしく、体内で正常な所以外でブドウ糖が大量に接種される場所を疑う事で、がんを見つけ出す事が出来るらしいのです、それでブドウ糖がどのように体内を循環するか観察するために、ブドウ糖に類似した化合物に放射能をくっつけて投与し、体内を循環させ、放射能が出す放射線を観察する事で、がんの場所を特定するそうな・・・何とも複雑。

それで、放射能をくっつける?って??放射線を発する物質を作るために、なんと病院内に原子炉がありました!!厚さ1mくらいの扉の向こうに鎮座する原子炉、たまたまメンテで停止してたので撮影できましたが、放射線測定器がひっきりなしにピピピ鳴ってました、本当に大丈夫なんやろか・・


難しすぎて分からんですが、原子炉等で生成した陽電子を薬として化合する機械、放射線が出るんで厳重な装置でした。

これも、動いてないって事で、扉を開けてくれました・・さっぱりわかりませんが、これで投与する薬を仕込んでるんだとか・・・扉を開けると、開ききるまで警報音が鳴るあたり、映画みたい。

ここでも放射線被爆の対策が随所にあって、薬を患者さんに投与するぶんには被爆量は安全だそうですが、投与するお医者さんは常に被爆にさらされるので、投与の際に薬剤シリンダーからの放射線を遮蔽するためのタングステン制の筒を見せてくれました、真ん中の穴に薬剤を入れるらしい・・・それで、これ1こ200万円なり、高いっ。

がん治療の中でも最先端医療に、陽子線治療というのがあります、これはもうなにもかも桁外れ。
簡単にいうと、陽子を高速に加速させてがんに直接照射するという事らしいのですが、照射される陽子はサイクロトンという機械で光の60%ほどまで加速できるそうです、秒速30万kmの60%って・・・?

最近実験で人工的にブラックホールが作れるかも?というニュースがありましたが、あの装置の小さい版と言えば分かりやすいでしょうか、加速された陽子は患部に照射されるのですが、照射角を変えるためにベットの後には回転ガントリーって機械があります、角度を変えるための装置がなんと3階の建物サイズ・・・あまりのでかさに唖然、カメラに収まりません。

やっぱりきになるインターフェイス(笑)そういえば、どの機械にも緊急停止ボタンらしい赤いデカイのが付いてました、用途とデザインの関係性を観察するには医療現場はとても興味深いです。

ちなみに、この陽子線治療を受けるための治療費は保険対象外で2,883,000円とWebに書いてあります、生きるために安いか高いか!って庶民な僕には到底考えられません・・・・

その他、実験用につかう機器、これはネズミを使ったがんの実験で使うNanoSPECT/CTという機械、ネズミ用で2億円。

ついで、実験中にネズミの体温を下げないようにしてあげる暖房ベット(青いシリンダー部分がベット)、ネズミ用コタツみたいなものが500万・・・とお値段の桁が違いすぎてよく分かりません。

兎に角、知らない事ばかりで、驚きの連続でした、医療の先端でデザインが出来る事は何か?を考える良い機会になりましたし、今後、このような医療現場とデザインの関係性や結びつきを考え、インターフェイスやグラフィックで少なくとも医療に貢献できる何かがあるかもしれません、むしろすでに現在ある施設を見渡すだけでも随所にデザインによる貢献が見て取れます、しかし、まだまだ不足している部分も多いと現場にいるお医者さんや研究者の方からも聞きました、長くなりましたが、今後のデジタルメディアデザインコースの行く末を考える上でもとても重要な場に参加できたと思います。





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