11月14日(火)そろそろコース展「デジタルメディアデザイン展」が近づいてきて各アトリエでは制作に追われるゼミ生達がせわしなく制作と研究に打ち込んでいます。インターフェースゼミではこのほど導入した3Dプリンターで早速プロトタイプの制作を続けて来ました。そもそも3Dプリンターの導入を急いだ訳は、スイッチで制作してきた独楽の作品「まわる、うつる、ひろがる」の独楽本体が長年の使用で破損が目立ってきて使用不能となる個体が出始めてきて運用がままならなくなってきたからです。
実はこの作品、来年で9年目を迎えます。展示で荒く扱われるだけにそれなりの強度が必要なのですが、初代は1回の展示で木製の筐体が全滅、電子基板はその後2年で再設計を行い、2世代目を改善しながら去年まで使ってきました。3Dプリンターが安価になってきた頃から設計をやり直そうと考えてはいましたが、他の事も色々忙しく、ついに使えなくなる所まで来てしまったため、早急に3世代目の開発が必要になりました。改良型の3世代目を「デジタルメディアデザイン展」に出展する事も決定しているので、動作させるところまでなんとかしたいと日夜ゼミ生の伊藤くんが開発を続けています。
独楽を回す事が作品を動作させるトリガーなので、電子基板にも結構負担がかかります。なのでプリント基板を専用設計して発注しました。以前までのユニバーサル基盤と違って結線等が少なくなるのでエラーが少なくなります。基盤や電池をおさめる筐体を3Dプリンターで制作、さらに独楽本体も今回は3Dプリンターで製造しています。独楽自体は木製が良いとの意見も多いのですが、とりあえず今回はすべてを3Dプリンターで制作しました。今後は木と3Dプリンターのハイブリッドモデルも開発する予定です。
11月10日(金)写真は2年生のペルティエ先生の授業、ゲームデザインの様子です。この授業ではボードゲームを体験するところから、実際にボードゲームを作ったりと、ゲームを作るうえで必要なルール作りやストーリ作りなどを盛り込んだカリキュラムで運営されています。そしてもちろんデジタルゲームの制作も組み込まれており、授業ではゲームエンジンUnityを使ったゲーム制作の実習も行なわれます。
アナログゲームからデジタルゲームまで、今ではスマートフォンでもゲームを楽しむ人が多くなってきており、ゲームの需要は多岐にわたっています。なによりゲームに必要な要素やスキルもそれこそ多岐にわたっていて、ゲーム制作に関わるといってもどのポジションに自分がいるべきなのか?というのも結構重要ですよね。
ゲームにとって大事なのは物語やルールそれに目的かなと思いますが、それらに対してキャラクターやビジュアル、動き、音、プログラムなどの要素が肉付けされてコンテンツとしての強度を持ってきます。そう思うと物語やルールそれに目的を構成するにはディレクション能力が求められますし、キャラクターやビジュアルではキャラクターデザインや描写力が求められます。動き、音、プログラムではアプリケーションの使い方やプログラミングといった技術力が求められます。このようにゲームといっても色々なスキルが集まって出来る事が多いので、一人で制作するというよりもチーム制作が多いジャンルかなと思います。
メディアデザインコースではゲームを中核としたゼミを3年4年で展開していますので、この授業で基礎を学んだ後、ゲームに興味ある人はゼミに入って本格的なゲーム制作を通じた研究を行なう事になります。
10月27日(金)冬のプロジェクションマッピングにむけて明治村にあるザビエル天主堂を使った投影テストに行ってきました。夏に続き今年は冬のイベント「きらめき明治村」で、ザビエル天主堂を使ったプロジェクションマッピングをデジタルメディアデザインコースで制作し投影します。ザビエル天主堂を使ったマッピングは過去に2回行なっていますが、被写体が教会という事もあって前回、前々回ともにどこかしっとりとした印象の仕上がりだったように思います。今年はイベントの特徴から「きらめき」という事と「虹色」をテーマに、12月はクリスマスなど年末をイメージした感じ、1月は新春をイメージした感じ、2月は春の予感をイメージした感じ(仮)という具合に少しづつテイストを変えて短い映像を上映するという企画ですすんでいます。
前回の記事でも少し触れたと思いますが、去年プロジェクションマッピングを行なわなかった結果、制作に携わるゼミ生に過去の経験者が居ないという点が最大のハードルで、メンバーにとってすべてが初めてという状況。そしてこの日の実際の投影の合わせも皆初めてという事で、右も左も分からない状態からのテストでした。とりあえず投影に関しては過去のノウハウがあるのですが、プロジェクターの位置をはじめ、ケーブルの取り回しやスピーカーの位置など、この日に過去の事例をメンバーに教えていくところから始めました。そしてメンバーにとっても分からない事が多い状況ですね。
投影のほうはだいたい行ける感触を得たので、あとは投影の状況を考えながら映像を作る作業が約2ヶ月続きます。
10月26日(木)簡易ステージクラスのPAセットを新たに導入しました!プロジェクションマッピングなどのイベントに参加する事が多いデジタルメディアデザインコースですが、ある程度の広さの空間に音を出せるスピーカーとウーハーが必要になります。明治村でのプロジェクションマッピングでも年々お客さんの数が増え現在のスピーカー構成では少し出力が足りなくなってきたので、新たに追加導入する事にしました。
とりあえず、開封してアトリエに設営。そしてこういう機材は重いですね(笑)4人がかりでセッティングしてとりあえず深夜大学内に人気が無くなった頃を見計らって・・・・ならしてみました、ん〜ん だ・い・お・ん・きょ・う・・・アトリエの狭さでは持て余し過ぎてて全然テストになりませんね(笑)
10月26日(木) コースに3Dプリンターを導入しました!プロトタイピングが当たり前となって久しいですが、コースにもやっと3Dプリンターがやってきました!これでデバイスやインターフェース開発におけるプロトタイプ制作もかなり精度が上がりますね! いままでレーザーカッターを利用した設計はやってきましたが、複雑な形状のものはなかなか作れなかった部分をこれで改善する事ができるようになります。
3Dプリンターはそのほかキャラクターなどのフィギア制作などでも使われますし、3DCGでデータを作っておけば立体構造を出力する事が出来るので、今後の開発でも様々なシーンで使えると思います。導入したプリンターはABS樹脂などのフィラメントを積層するタイプですが、同じ価格帯のプリンターの中でも結構奇麗にプリント出来るものです。
3Dプリンターもピンキリで数百万のものもあれば数十万のものもあり、それぞれ特性も違います。用途や予算に合わせて導入すればいいのですが、どの機種が良いのか?の選定は結構色々と調べました・・・それぞれ一長一短あって、決め手が難しいのですが、検討した結果、ZORTRAX M200という機種を導入しました。テスト出力してみましたが、なかなか良い感じです。
10月23日(月)〜25日(水) 今年も金沢美術工芸大学にてスポット授業を行なってきました。前回の記事に書いたように1週間前にちょうど金沢美術工芸大学の坂野先生に名古屋造形に来ていただいて特別授業を行なってもらいましたが、入れ替わりで今度はこちらから金沢にお邪魔して授業をしてきたという形になりますね。
授業の日程は3日間なのですが、なんと初日が季節外れの台風!! 前日の夜、金沢へ向かう道中も台風のまっただ中でホテルに到着した頃は強風吹き荒れてましたが、朝もまだ荒れており警報が解除されず。大学へ行くも警報により午前中休講が宣言され実習授業が無くなるというハプニング・・・なので夕方の5時間目の講演が最初の授業となりました。今回の講演内容は主にデジタルメディアデザインコースで取り組んでいる内容やゼミ制度で学生達がどのような活動や作品を作っているかなどを中心に話しました、おなじデザインを学ぶといっても大学によって方針とか全然違いますものね、とくにゼミで行なっている内容や制作環境、学生達が作っている過程などを紹介してほしいとの要望もあったので、画像や映像をふまえて紹介しました。
台風で実習授業は2日目から。実習授業の内容は同じく視覚デザイン3年生対象にarduinoとprocessingによる電子部品の接続とプログラムで簡単なインタラクティブコンテンツを作るというものです。ただ最近はarduinoとprocessingを使った授業が別にも設定してあるらしく、参加されたクラスの学生さんたちは既に経験済みでした、なので1回分減ったけれど行程としては問題なく進行できました。
10月11日(水)芸術祭が終わったばかりですが、アトリエでは次々と新しい事の開発のために常に動いています。この日は過去に作品制作で使っていた4Kテレビをテーブルに仕込んだ4Kテーブルを組み立てました。ちょうど2年前の卒展で卒業生2人がそれぞれこの仕組みを使った作品を発表していますが、それ以来この仕組みを使った研究内容が止まっていました。
70年代に流行ったタイトーのインベーダーゲームは卓上型画面の仕組みで一世風靡しましたが、あれから数十年経った現在においても卓上モニターという仕組みはあまり需要がありませんね。映画等では卓上が画面でそれらを操作するなんていうシーンが結構出てくるのですが、現実にはあまりそういったインターフェースは存在しません。
ここ20年ほどICTによるメディアの革新は目覚ましいものがあったかと思います、PCの性能や携帯の性能とってみても考えられないほどのスペックアップを果たしています、画面においてもピクセル数はVGAからハイビジョンや2K、4Kと高密度高精細となり今や8Kなども存在し、情報を取得あるいは操作するインターフェースとしての画面は現代社会にとって必要不可欠な物です。しかしテーブル型というのは20年ほど前からもアイデアや研究はあったもののそんなにインパクトを与える物として登場した事が無いように記憶しています。なのでこの4Kによる高精細テーブルもなかなか需要を見いだせないものではあるのですが、とりあえず何か動かしてみるという事が大事という事で、ゼミ3年生の研究課題として一旦導入する事にしました。まだ具体的なコンテンツはありませんが、開発を少し見守ってみたいと思います。
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