2月19日(日)第24回名古屋造形大学卒展・第13回大学院修了展 無事終了いたしました。卒展に足を運んでくださったたくさんの皆様本当にありがとうございました。SNSの拡散などもあり、この卒展で多くの方に名古屋造形大学を知っていただけたのではないかと思っております。
デジタルメディアデザインコースの学生達の作品や研究は、メディアデザインを中心にしたものが多いですが、それぞれ様々な思いで作り上げた集大成でした、そしてそれらはまだまだ未熟ではありますが、若い彼等だからこそのアイデアなども盛り込まれており、場合によっては今後発展的に利用される事や拡張される事もあるかもしれない可能性があるものも多かったように思います。
卒展は4年生にとっては卒業という一つの節目であり、彼等にとって完結を意味するところも多いですが、コースではこれらを大切な資産として、時には後輩に引き継がれたり、時には拡張した研究課題へと発展させることも視野に入れながら新たな課題に取り組んで行きたいと思います。
2月17日(金)卒展記念公開講座「糸数弘樹さんによる「クリエイターとして大切なこと」(ハリウッドで学んだ知識や経験)」を開催しました。
糸数さんは1962年生まれの沖縄県久米島出身。 琉球大学教育学部を卒業後にカリフォルニアのArt Center College of Designで工業デザインを学び、Warner Bros. Companyで「バットマン」シリーズの舞台となる架空都市ゴッサム・シティのビル群や特殊効果などを手掛ける。その後、2014年までWalt Disney Animation Studiosのトップクリエーターとして「シュガーラッシュ」「塔の上のラプンツェル」など30本以上の作品に参加されています。
アメリカへ留学し、アルバイトしながらArt Center College of Designへ入学するまでの紆余曲折の話しから、大学時代のアメリカの学生達の作品に対する姿勢など、興味深い話しは尽きません!その後、映画関係のCGクリエイターとしての仕事では、2Dのキャラクターを3DCGのモデルにモデリングする難しさ、2Dをそのまま3Dにしても2Dアニメーションのように表現出来ないため、横から観た時に違和感なく3Dでレンダリングできるように観る方向によってレンダリングイメージが破綻しないよう専用のモデルを何体も作ったお話や、「アナと雪の女王」での背景のモデリングでは数百本のつららにこだわったお話など、資料とともに3DCGでアニメーションを作る難しさや魅力、それにクリエイターとしての姿勢など盛りだくさんで90分があっという間でした。
とにかくアーティストとしてプロ意識をもって仕事に取り組む事、どんな小さな仕事でも全力で制作する事、また現在はインターネットがあって色々と調べる事ができるので、とにかくリサーチが大事、十分に調べる癖をしっかり付ける事、そしてなにより、とにかくやってみる事が大事、失敗を恐れていては何も出来ないので、とにかく挑戦して失敗したらそれを糧に次へ進み続ける事が大切というメッセージを学生達に話されていました。経験に基づくいろいろな話しがあってとても良い記念講演となりました。糸数さんありがとうございました。
2月13日(月)第24回名古屋造形大学卒展・第13回大学院修了展の搬入日です!会場である愛知県美術館の搬入口に13時に集合し、いよいよ作品をギャラリーへ運び込みます。前記事にあるように前日に運び込んだ作品は、審査保管室という搬入口すぐ横にある部屋に積み上げておいてあるのですが、毎年この保管室から搬入用エレベータにて各ギャラリーにどれだけスムーズに荷物をあげきるか!が勝負となります。この作業に時間を取られると、大学からこの日にトラックで到着するプロダクトデザインコースや建築・インテリアデザインコースの作品群とブッキングしてさらに混沌としてしまいますので、実質1時間であげきるのが目標です!
ということで、エレベーターであげる作業は的確に素早く行われました。自コースの物だけを上げるとかではなくコース関係なく目の前の作業を片付けていくというスタンスが大事ですね!デジタルメディアデザインコースはオープンキャンパスやコース展の搬入搬出であるていど鍛えられているので比較的作業は順調に行きました。グラフィックデザインコース、イラストレーションデザインコース、デジタルメディアデザインコースの3コースの作品群はおよそ1時間で上がりきり、予定通りのスタートとなりました。
といっても、搬入の本番はこれから・・・各ギャラリーに運び込まれた荷物の梱包を解き、展示計画に基づいて配置と飾り付けを行なっていきます。半日ですべてを済ます必要があるのでかなり作業はタイトです。特にデジタルメディアデザインコースの作品は、PCなどを使った電気関係の敷設が多い事や、メディアアートやメディアデザインの作品群によくあるインスタレーレーション形式のものもあり、基本搬入やセッティングに時間を要すものが多いのが特徴で、展覧会の規模でいっても半日で仕上げるのはちょっと難しいのが現実ですね・・・ただそこは人員でカバーです! コースの学生は比較的作業に慣れているし、後輩への依頼なども行なっていて、現場には3年生や2年生が手伝いに入っていて、とにかく人海戦術で作業をこなして行きます。
今年は実はコース人数に対して与えられた展示スペースがかなり狭く、配置に苦慮しました。他のコース事情も相まって、色々とあって最終的に別々の部屋に分散するよりも一部屋にまとまっているほうが観やすいのではないか?と言う事で、狭さを取ったのですが、やはり30名の作品を入れるにはちょっと限界がありましたね(笑)今年の展示はかなりギチギチとなってしまいました。
そうそう、あと、ロビーや入り口にある看板などの設置も実はデジタルメディアデザインコースの学生達によって敷設されているのです。会場に入ると大きな布製のバナーがぶら下がっているのですが、そういった広告物の制作から敷設などもコースで引き受けてやっていますので、そういう部分もみなさまに観ていただけたらと思います(写真多めに掲載です)
2月12日(日)卒展前日搬入が終了したあとに、やり残したいろいろな作業を淡々とこなす日曜日の昼下がり・・・とりあえず卒展ビジュアルでせっかくキャラクターを描き起こしたのだから、いろいろと使わない手はない!ということで作品キャプションの横にキャラクターを切り出して貼ろう!って事になって、急遽データを作ってレーザーカッターを起動!
思い立ったが吉日!ってな事で、とりあえず思いついたらやってみる!っていうのが大事なんです(たぶん)ただ、まぁ色々キャラクター化に関しては紆余曲折があって、全コースに配布して貼ってもらうというのは難しいと判断し、今回はデジタルメディアデザインコースに限って作りました。意外と可愛らしい感じに仕上がったので、思いつきにしては良しとしましょう!
2月12日(日)名古屋造形大学卒展、展示にむけて前日搬入を開始!いよいよ本格的に動きだしました! 全コースの4年生が参加する卒展は展示作品数が多いので、搬入での運搬を2回に別けて行なっています。通常搬入は月曜日なので、その前日に一部搬入するとなると日曜日になるので、毎年休日ですが搬入担当の学生達には9時30分に大学に集まってもらっています。
前回の記事に書きました卒業制作作品の最終審査を体育館で行なうには実は理由があって、審査後そのまま梱包し体育館にまとめて置いておくことで、前日搬入にそのまま運送トラックに積み込むことで搬入の荷物を把握しやすくする事と、忘れ物を極力無くす事、それに効率よくトラックに荷物を入れる事が出来るからなのです。
搬入作業はおおむね順調にすすみ、予定通り終了しました。そして明日はいよいよ搬入当日です。
2月10日(金)福島から東京に移動し、この日は初台にあるインターコミュニケーション・センター(ICC)で開催されているアート+コム/ライゾマティクスリサーチ 光と動きの「ポエティクス/ストラクチャー」を見てきました。
ICCは1997年に開館したNTT東日本が運営するセンターで、この20年間様々なメディアアート作品に特化した展示を行なってきた数少ないギャラリーです。デジタルメディアデザインコースでも東京研修を行なっていた時期があり、ギャラリー巡りに必ず入れていたギャラリーでもあります。日本ではなかなかメディアアート作品を大規模に扱う展覧会が少ないので、結構貴重な作品との出会いがあったりします。
今回は2年前の卒展記念公開講座に来ていただいた真鍋大度さんと石橋素さんの会社ライゾマティクスリサーチによる作品とアート+コムの作品が展示されているという事で、見てきました。ライゾマティクスリサーチの作品distortionは鏡ばりのカートがダンサーのように移動するのですが、そこに投影される映像が鏡の反射や投影位置を計算して映像を歪ませてマッピングされていて、かなり高度な仕組みで演出されていて見応えあります。アート+コムの作品RGB|CMYK Kineticは、これまたダンサーのようにしなやかに動く丸い鏡に反射する光を巧みに操り、タイトル通り3色の光の反射や透過による”色”の原理RGBとCMYKを出力させる演出が逸品でした。展示は3月12日までです。
2月9日(木)福島県は三春町にある「福島県環境創造センター交流棟(愛称:コミュタン福島)」へ渡邊先生と外山の2名で行ってきました。東日本大震災により原子力発電所の事故をうけ、放射線の問題や環境問題、それにエネルギー問題など、様々な困難が福島県をはじめ日本全国に波及しました。そして特に福島県では、事故後の環境回復や、事故における影響、それに放射線に対する知識の浸透など、そこに暮らす人々との交流から様々な努力がなされています。コミュタン福島の入り口には生々しい福島第一原子力発電所の事故当時の様子が模型で再現されており、映像ブースでは震災に関する情報がまとめられた約10分の映像が閲覧できます。
ちょうど訪れた時に、小学生達の団体と遭遇しました。子ども達にも震災で起こった事や原発事故の内容、それに放射線についてスタッフの方がちゃんと向き合って話されているのが印象的でした。特にこの施設では環境回復をテーマに、福島の自然豊かな環境の学習から、事故による放射線の知識、また放射線とどう付き合っていくか、それに私たちの身の回りに昔から存在する自然放射線への理解など、難しい課題をわかりやすくまとめたブースがちりばめられており、KinectやAR技術を応用したICTを上手く使ったインタラクティブな学習システムなども導入されていました。
デジタルメディアデザインコースでは、とくに自然放射線などの存在と、放射線の理解を深めるためのツール制作、それにデザインによって、それらの難しい課題をわかりやすく伝えて行く方法は無いか?などの研究課題に、放射線を専門とされる先生方とともに取り組んでおり、今回はその関係で福島を訪問しました。
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