10月16日(月)2年生のインフォグラフィックデザインの授業で、金沢美術工芸大学・デザイン科、視覚デザインの坂野徹先生をお招きして特別授業を行なっていただきました。坂野先生は金沢美術工芸大学に就かれる前までデジタルメディアデザインコース1年生のグラフックデザイン基礎の授業を非常勤講師として担当くださった事もあり、坂野先生にグラフックデザインを教わった卒業生達も何名かいます。
坂野先生はグラフィックデザイン領域を専門とされており、印刷物をはじめ、インフォグラフィックスやデザインの考え方など”デザインの捉え方’に関わる事に長けた先生です。さらにゲームやメディア表現、インターフェースなどにも興味をもたれており、多角的にグラフックデザインを捉えておられます。
今回は先生の過去から現在までの仕事を紹介しつつ、そのノウハウを金沢美術工芸大学での授業に取り込み、どのような意図で課題に取り組んでもらっているか?を学生の作品を紹介しながら説明されました。印刷といっても特色印刷など特殊なものも多くあります、たとば特色印刷を前提とした絵はがきのデザインを行ない入稿まで体験する事で、特色や版、色について学ぶ授業の紹介などがありました。課題で紙面のデザインをする事はあっても業者に入稿するまでやる授業はコースには無いですからね、実践的な事を取り込む大切さもうなずけます。
デザインの考え方についてでは、ルールに乗っ取って物事をすすめる事や、ルールそのものを造り出す事、そしてそれらのルールが構造を組み立てる事に繋がり、構造から表現が生まれるという事、つまり表現と構造は表裏一体であるもののしっかりと別けて考える必要もあるという事ですね、デザインを説明をする時に設計(デザイン)と装飾(デコレーション)を別けて考える事がありますが、それと似ています。まずルールや構造をしっかりと考える事がデザインにとって重要な事です。
インフォグラフィックの紹介では、ご自身が地図や系統図などのデザインを行なう仕事の祭に、PDCAサイクルを念頭においているという事も説明されました、Plan(計画)Do(実行)Check(評価)Act(改善)を繰り返す事で改善をすすめ、結果を求めていくという事です。学生には計画の段階で考えすぎる傾向がある事もしばしばで、計画したら実行してみて、評価してもらって、問題を改善し、改善計画を出して実行する、というサイクルをとにかくやってみる!というのは重要かもしれません。そもそも無いものを産み出す時点では机上の空論なのですからね、やってみないと結果は分からないし、失敗したらそれを活かして改善していけばいいので、1発で成功させようと思わず、失敗を恐れず、とにかく繰り返す事で前進して行けばいずれ答えにたどり着くと思います。もちろん考え無しでは問題ですが・・・先生の作品が完成していくまでの道のりの数十パターンが示されたのを観ると、ポンと出来た訳ではなく紆余曲折があったことが伺えます、そういう過程こそ大学生にとって大事だな、とこの講義を聞きながら改めて思いました。