ワークショップ行いました たかひこん@デジタルメディアデザインコース
芸術祭のまっただ中の10月13日(日)に日本学術振興会のプログラム「ひらめき☆ときめきサイエンス」のワークショップ「医療現場で役立つやさしいデジタルデザインとイラストレーション表現ワークショップ」を行いました。7月のオープンキャンパスにて1回目を行いましたので、今回2回目の開催となりました。
「ひらめき☆ときめきサイエンス」は小学生・中学生・高校生のみなさんに科学の面白さを感じてもらうプロジエクトとして日本学術振興会が行っているもので、今回は渡邊敏之教授が研究代表者をつとめる科研「基盤研究(C)/患者面談用インフォアニメディアの創設に関する研究」に関連するワークショップをデジタルメディアデザインコースの学生達とともに開催しました。
科研で行っている研究内容は、簡単に言うと医療現場で行われる手術等の説明のインフォームドコンセントにて用いるIT技術を使った支援ツールです。病気や手術方法を説明する際に医者が患者さんに分かりやすく説明するためのツールとして、アニメーションやイラストレーションを多様し、より分かりやすく優しく、かつ正確に内容を伝えるためにどうすると良いのかを考える研究として開発を行っています。そして今回のワークショップでは、相手に情報を伝えるという事の難しさを図形やイラストを用いて体験してもらうというワークショップを行いました。
例えば、形容しにくいちょっと複雑な図形があったとして、それを言葉や文字だけで説明して伝えるにはどうすれば良いのか?という課題、文章だけの説明で同じ図形を相手が再現出来るようにするには、文章の構成や言い回し、それに図形を描いてもらう順序などを考慮する必要があります、ここで問題なのは説明を作る人のデザイン力とは別に、それを読むユーザーの読解力、これがデザインでは常に問題になりますが、読解力というのは個体差がどうしてもあります、勘違いも含めると確実に伝える事の難しさが体験できます、実際回答の際に50%ほどの正解率を出すのがやっとという状況ではありますが、ここで一番大事な点は正解者と不正解者が居る事、全員が正解あるいは不正解なら説明を作った側の問題で済みますが、2者が混合するという事は読解力があれば正解するけれど、間違いを起こす人も居るというなんとも曖昧な状況が産まれてしまいます、つまりユーザーに頼るところが出て来てしまうので、できるだけこの間違いの差をなくす事が最も重要でかつ一番難しいところです、そしてこの設計こそがデザインと言えますね。
ただ単にかっこいいイラストやかわいいイラストを描けば良いという訳では無いという事、デザインとは表面的な部分だけでなく、伝わる方法や設計を考える事だという事に、このワークショップ体験を通じて感じてもらえればと思います。