このたび、本学特別任用教授・柴田正三先生が、勲四等旭日小綬章を受章なさいました。叙勲対象となったのは、(1)旧工業技術院名古屋工業技術試験所において行った金属イオン用高感度・高選択性呈色有機化合物の合成及び二波長分光光度法の確立と、(2)同所セラミック応用部長時代における高純度人工粘土の開発(アルミナスクラップや天然ケイ藻土などを用いる水熱合成によるカオリナイト質粘土の製造)に関する研究組合の設立とその成果です。先生は、これらに関連して、第1回工業技術院優秀研究者賞、日本分析化学会学会賞などを既に受賞されています。また、希土類資源・未利用粘土資源に関する中国及びトルコ政府との共同開発プロジェクトの遂行を通じて、広く通産行政にも貢献してこられました。
本学の開学と同時に教授として着任され、自然科学概論・化学・造形材料学などの講義をご担当いただいています。実験を交えたやさしくわかりやすい授業を通じて、貴重なアイディアやヒントを受け取った学生も多いのではないでしょうか。また、2000年度の「造形芸術研究センター」設立に際しては、初代のセンター長をお務めいただきました。現在も、テクノロジー・アート、サイエンス・アートなど、科学と芸術の共振領域について研究を続けながら、年1回のペースで、現役学生・卒業生・教員を共同出品者に迎え、『素材と表現』展を開催していらっしゃいます。