2017年度 大学案内
6/68

あなたの大切なものは何ですか?家族、友達、お気に入りのDVD、洋服、ゲーム、パソコン、バイト代で買ったバイク等々、数え切れない程あることでしょう。もし、それらの大切なものが傷つけられたり、奪われそうになったら、あなたはどうしますか? また、あなたが知らない間に、他の人の大切なものを傷付けてしまっていたとしたら?美術大学で学ぶ4年間は、あなたが作品を産み続ける期間でもあり、その全ての作品は自分の分身の様に大切なものですが、同時に無防備な状態で世間にさらされる事になります。子供を育てる象の母親は、大切な子供を守るために、敵が何であれ命を張って体当たりするそうです。大切な子供を傷つけられたり奪われたりされない様に体を張って守っているのです。さて、あなたが大学で創り続ける大切な作品は、一体誰が守ってくれると思いますか?それは、作品の産みの親である「あなた」です。「法律」という武器を使って大切な子供が傷つけられたり奪われたりしないように守らなければなりません。その法律とは、知的財産権と言われます。法律に詳しくなくても「特許」や「著作権」などという言葉は、おそらく聞いたことはあるでしょう。名古屋造形大学では、「ものづくりの法律」という講義科目でこの知的財産権を全員が学びます。1年次に学ぶ「ものづくりの法律入門(創造と権利)」また「ものづくりの法律(デザインと法律)」では、難しくて分かりにくい「法律」を、できるだけ「分かりやすく」「覚えやすく」アレンジして「楽しく」学んでもらいたいと言う一心で授業を行っています。食べ物に例えると、栄養はあると知っていても苦くて不味い「ゴーヤ」を、「食べやすく」「美味しく」調理して「楽しく」食べてもらうという大変な作業になります。ニンジン嫌いの子供に、大好きなカレーの中に擦ったニンジンを入れるという母親の知恵の様なトリックを沢山盛り込んだ、他校では例の無い名古屋造形大学オリジナルの知的財産権の授業が「ものづくりの法律」です。どうぞ楽しく、召し上がれ。例えば「らくがきOK」という授業ノート。提出後に採点しますが、授業内容を皆それぞれ好きな絵を描きながらイメージと共に学んでいくと、始業時に配布したA3白紙のノートが作品の表情を持ち始めます。絵のレベルは関係なく、文字とイメージで左右の脳を刺激し刻むこの作業が楽しい様です。皆黙々と描き込んで私語等は殆どありません。しかしながら、ゴーヤはゴーヤです。プリンにはなれません。少し苦くても苦笑いで楽しみながら食べてください。ゴーヤの栄養があなたの体に吸収される頃には、法律という知識が身に付いた【クリエイター】あるいは【デザイナー】となっているのです。ゴーヤはプリンに、なれません。「ものづくりの法律」で学んで得た知財スキルを、自分や作品を守る術だけで終わらせず、知的財産管理技能士(1級・2級)という国家資格取得に活かすことを勧めます。知的財産管理技能士は、2002年に打ち出された「知財立国」という国家戦略のもと2008年から制定され、社会や企業から注目されている資格ですが、在学中に取得する学生も少なくありません。当然のことですが、受験する学生には合格に向けたフォローも授業とは別に用意してあります。大学在学中の4年間で是非ともゴーヤの栄養を吸収し、「法律」という武器で自分と作品を守ることができる母親象になりましょう。卒業後は、確かな知財スキルを備えた「ものづくりのプロ」となり、益々の活躍の場が約束されていることでしょう。国家資格も、あなたのものに。04BOOK1: 9 COURSE

元のページ 

page 6

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です