久保ちひろさんが、PVCデザインアワードで3会場展示

プロダクトの分野では色々な素材を扱いますが、授業の課題だけでは、そんな様々な素材を網羅することができません。
また、社会で通用するレベルや自身の実力との差を意識することも大切…との視点から、学外コンペや産学連携プロジェクトも重視しています。
今回、2年生の久保ちひろさんが取り組んだのは、学外コンペの中から自身で選んだ「PVC DESIGN AWARD 2017」というコンペ。 ポリ塩化ビニル…「塩ビ」とか「ビニール」といった方が馴染みがあるでしょうか?
彼女の提案は「ハンガーカバー」!

被せるだけで…クリーニングから返って来る時についている安い針金のハンガーでも可愛くカラフルで楽しいハンガーに早変わりするアイデアです。
当初は、ビニールの持つ粘着性にヒントを得て、ハンガーに掛けた衣服が滑り落ちないグリップ機能を備えたハンガーを考え、その意匠にユニークな形状を模索。

久保
ひとまずはコンペに応募したところ、コンペを主催する日本ビニル工業会の参加企業である「オギ工業」様の目に留まり、発展する形で商品化を目標に共同開発がスタートしました。

頻繁に実企業とのミーティングや試作を繰り返し、滑り止め以外にもタグのアイデアやポケットを設けた機能的な工夫、香りや色でお気に入りの服を楽しむことができる…など様々なアイデアを提案し、いくつもの試作品を経て、最終的なカタチに仕上げたそうです。
残念ながら、商品化には至りませんでしたが、このアワードの展示会に並べる作品のひとつに選ばれ、東京、大阪、名古屋でのイベントに展示され、多くの皆さんに御覧頂くことができました。

回を重ねていく毎に、試作品がブラッシュアップされ、クオリティーが上がっていくことを経験することはとても実践的なデザインのプロセスです。
1年生の時からアトリエにひとり残ってコツコツ作業をする姿を幾度も見てきました。小柄な身体に沢山のエネルギーを秘めた彼女の努力が実を結んだ素晴らしい成果だと思います。
来年度の大学案内にもインタビューを載せようと思っていますので、是非御覧下さい!

PD 金澤

卒業制作 進行中

ちょっとブログサボっちゃいました。

2月10日〜18日まで、第25回卒業制作展・修了展が、名古屋造形大学キャンパスにて開催されます。
この時期、学生達は制作に追われ、日夜、土日返上で取り組んでいるのではないでしょうか。
今年度、プロダクトデザインコースでは、9名の4年生が卒制に取り組んでいます。

毎年、個性豊かなメンバーがユニークな発想を披露してくれますが、そのプロセスをお見せしたことはあまり無かったので、制作過程をチラ見せしてみようかな…と思います。

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いきなり、動物の様な…人の様な…宇宙人の様な…フィギュアの制作過程です。

これって…どんなプロダクトなの…? 近年、幾つか毛色の変わった作品を制作する学生が出てきました。

使い勝手や利便性、機能性、軽量化などを製品として解決していく従来のプロダクトに加え、ビジネスの仕組みや新しいライフスタイルに寄り添った経験を提供する「企画」などを考えるパターンです。

加藤愛理さんの提案は、ネット上のバーチャルな空間に広がる街(「ゆるふわタウン」というそうです)の住人達と、アバターとして入り込んだ自分自身が体験する新しい「商空間」とでも言えば良いでしょうか?

スポンサーになる企業がこの架空の街に出店し、アバターであるユーザーが買い物や住人達とのコミュニケーション、或いは、同じ様にこの街を訪れた他のアバター(ユーザー)と情報交換などをすることができ、「ゆるふわタウン」で手に入れたポイントなどが、現実の店舗でも使えるサービスを提供する仕組みの提案です。

1990年、富士通がハビタットという、チャットを中心とした仮想現実空間を提案したことがありましたが、eコマースをよりリアルな体験型テーマパークの様にすることで、別の人格を楽しんだり、新たな出会いを含めたネットワークの構築に活用するという、SNS+EC+RPG を提案しようとしています。

彼女は「ゆるふわタウン」の住人達であるキャラクターのLINEスタンプを実際に販売し、人気の動向を確認したり、キャラクター設定の精度を上げたり…と結構、ロジカルなプロセスにも余念がありません。

「ゆるふわタウン」を紹介するプロモーションビデオも作り、展示ではその街並みや住人達を立体フィギュアで再現し、キャラクターグッズとしてのビジネス展開も想定したプレゼンテーションになる予定です。

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興味を持って下さった皆さん、是非、会場まで足をお運び頂ければと思います。

PD 金澤