新年、明けましておめでとう御座います。

06年賀状

いよいよ2017年が始まりました。
年々、時間の経過が早く感じられるこの頃ですが、昔と違い元日から店は開いているし、大型ショッピングモールは福袋だのくじ引きだの、初売りセールと商魂逞しく、賑やかな年明けが常態化しています。

私が子供の頃は、三が日に開いている店など無く、出歩く人もいなければ街は静かで否が応でも正月の神聖な気分と、この一年をどう過ごそうかと落ち着いて考える穏やかな時間を体験することができました。

この非日常感のお陰で、私達は正月を格別な節目として意識し、過去の失敗を切り捨て新たな挑戦について考える…気持ちの切り替えをしていたのではないかと思います。

時代が変わり、形ばかりの風物詩は商業ベースが支配し、SNSのお陰で年賀状を書かない世代が増え、うるさいからという住民の声で除夜の鐘をつかないお寺が増える…そんな話を聞くほどに、寂しい気持ちになるのは私だけでは無いと思います。

リアリティーの本質がどんどん変わっていく。 時代に合わせ色々なものが変化していくことは仕方の無いことですが、身勝手な「個」とおかしな「民主主義」の中、情報の表現手段とその速度のお陰で色々なものが均質化していくことは、時に私が大切に守りたいと望む日本らしさを飲み込んでしまいます。

今年は、酉年(丁酉:ひのととり)。干支では五行/十干/十二支の最小公倍数となる60年前にも「丁酉」がある訳ですが、60年前の1957年は、ソ連は世界初の人工衛星:スプートニク1号を打ち上げ、日本ではトヨタがアメリカに自動車の輸出を始めた年、茨城県東海村の日本原子力研究所で初めて核分裂状態の「臨界」に達した年なのだそうです。また5000円札と100円硬貨が発行されたのもこの年とのことで、1945年の敗戦後僅か12年後の日本経済はその急成長の真っただ中…飛躍の年だった様です。

「酉」の由来は「果実が極限まで熟した状態・酒熟して気の漏れる状態」というものだそうで、酉のつく年は商売繁盛に繋がると言われているそうです。習い事で良い結果が得られたり、学問や商売などで成果が得られる…そんな年でありたいですね。
学生の皆さんにとっても色々なものを「取り(酉)込む」絶好の年回りになることを願っています。

PD 金澤