3Dプリンター奮闘記

新年度を迎え、santecさんとの産学連携も後半戦に入ります。

前回の卒業制作展でも大活躍した「ZEUS」ですが、今回紹介するのは、少し変わった使い方かも知れません。 学生は透明のドーム型を必要とするモデルに取り組んでいます。 東急ハンズなどに行けば、既成のアクリルのボール(器)型パーツを買うことができますので、これをカットしても良いのですが、イメージにピッタリのサイズ・カーブの部品って、なかなか無いんですよね…。 学校には真空成形機がありますので、これで作ってみることにしたのですが、やはりピッタリのサイズ・曲率の母型が無い…今回は「ZEUS」を使って、この母型作りにチャレンジします。

形状はいたってシンプルな凸レンズ形状。 希望のサイズは「ZEUS」の出力範囲を超えていましたので、止む無く2ピースに分けて合体することにします。 前回までの教訓を忘れずに、凸型の頂点を出力する際、冷めない内に重ねて出力することで形状が崩れてしまうのを避ける為に、同じ高さのダミー棒を生やしておきます。

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データは、いつものShade で作成

形状がシンプルなだけに、失敗も無く出力完了。

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問題無く出力完了

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等高線の凹凸を真空成形が拾ってしまいます

2つのピースを合わせてみても、まあまあの精度で凸レンズ形状になりそうです。

繋いで磨いて母型を完成しましたが、真空成形では思いの外、表面の凹凸を敏感に拾うことが判明。 表面の磨きに相当の時間を掛けないといけないことが分かりました。 「ZEUS」はポリ乳酸系の樹脂を出力していますが、結構なサンディングにも耐え、形状をしっかり出すことも出来ることも分かりましたので、母型以外にも磨いてフィニッシュする作品でも活躍しそうです。

PD 金澤