今日は東京へ向かった。
今日と明日は東京で美術展を観る。
まず、国立新美術館で若手アーティストの展覧会「DOMANI・明日展」を観た。文化庁が支援する「新進芸術家海外研修」の成果展だ。
それぞれ個性的なアーティストで今後が楽しみだ。これから彼らがどのように作品を展開して行くのだろう。
夕方からは浪人・大学時代の友人野澤好夫氏の展覧会を観た。一緒に浪人時代を過ごし、同じ大学で学んだ友人で、もう30年ほどマルセイユに住んでいる。
彼は隔年で東京で展覧会を開催しているが、前回からオープニング・パーティの際に中世・ルネサンスの音楽の声楽コンサートを開いている。
実は、浪人時代、私は中世・ルネサンスの音楽に心酔していた時期があり、彼にもよくその素晴らしさを伝え、聴くよう勧めていた。後で聞いたところ、彼がフランスに留学する気になったきっかけのひとつが、フランスのルネサンス音楽に魅せられたことらしい。彼のフランス留学に一役買ったことを光栄に思う。
この日はこのようなプログラムだったのだが、私が彼に貸してあげた何本かのカセットに入っていた曲が3曲あった。
ハインリッヒ・イザーク(Heinrich Issac: c.1450 – 1517)の「インスブルックよ、お別れだ(Innsubruck, Ich muss dich lassen)」、伝ジョスカン・デ・プレ(Josquin des Prez: c.1450/1455? – 1521)の「はかり知れぬ悲しみ(Mille regretz)」、そして、クロダン・ド・セルミジ(Claudin de Sermisy: c.1495 – 1562)の「花咲く日々に生きるうちは(Tant que vivray en age florissant)」の3曲だ。
合唱団ポリフォニアの心温まる歌唱が心に染みた。
彼の作品のからりと晴れた青い空と響き合っているよう…
久し振りにルネサンスの音楽をじっくり聴いてみようと思った。
パーティのあと、懐かしい友人たちと歓談し、夜遅く、近くのホテルに投宿した。