2009/6/30 火曜日

● 6月30日(火)雨のち晴れ。

カテゴリー: 日記 — takakita @ 22:30:42

終日雨の予報を大きく裏切って、昼前から晴れる。本日、名古屋駅ツインタワーのマリオット・アソシア・ホテルにて名古屋造形大学入試説明会。

午後2時、会場へ。ぎりぎりまで大学のビジョン説明用パワーポイント制作で、結構テンバッた。3時過ぎ、高等学校進路指導、美術担当の先生方、美術研究所、絵画塾の先生方がいらっしゃっる。少しずついい緊張感が高まる。

3時30分、ぎっしりの会場で挨拶。今年は、パワーポイントを使って、名古屋造形大学改革ビジョンを説明する形で挨拶とする。特に後半の「アートの力、漲るキャンパス」「花咲き、緑あふれるキャンパス」では、私の撮影による数十枚のスライドを使って話す。

山本正英学部長の大学概要、小林亮介入試広報部長による平成22年度入試説明と順調に進んで、質問時間。マンガコースに対しての質問が集中する。それぞれの高等学校で希望者はいるが、「大学でのマンガ教育カリキュラムは?」「マンガコースの就職は?」「どういう資質の学生を求めているのか?」

その後、先生方と大学スタッフの懇談、それぞれリアルな質問があちこちで飛び交う時間となった。

2009/6/29 月曜日

● 6月29日(月)晴れ。

カテゴリー: 日記 — takakita @ 22:40:12

午前9時30分、名古屋市中区三の丸にある愛知県自治センターへ。「平成21年度 愛知県屋外広告物講習会」で「広告物の表示の方法に関する科目」をレクチャー。10時から12時まで2時間。

役所は、午前中は冷房が入らないとのこと。スライド映写のため暗室にする、つまり窓からの風ストップの中で講義。訳100名の聴講者も汗だくである。200枚を越える写真とともに、「都市景観における屋外広告物(看板)のデザイン」について徹底レクチャー。この講師は28歳より31年続けている。

午後1時大学。

2時30分、今年最初のスーパーレクチャー、講師は長崎尚志さん。講題は「マンガ編集者の目、原作者の視点」

長崎さんは、フリーのマンガ原作者・編集者で名古屋造形大学客員教授。浦沢直樹さんと組んで「パイナップ ARMY」「MASTERキートン」「MONSTER」「20世紀少年」「PLUTO」「BILLY BAT」等のストーリーを共同制作、他多くの原作を担当。映画「20世紀少年」では3部作とも企画・脚本を担当。活動は多岐にして多彩。小学館在職中は編集者、ビッグコミックスピリッツ元編集長。

講演は、名古屋造形大学准教授の石川俊樹さんのインタビューという形で進められた。石川さんは、かつて長崎さんが小学館の編集者であった時代に、マンガ家として共に仕事をしている。

講演は快調に進められ、マンガ家と編集者のリアルな関係、マンガにおける原作の位置づけなど、マンガの最先端現場に居なければ聴くことのできない話がいっぱい。浦沢直樹さんとの関係については、「私と彼とは同じタイプの人間」が印象に残る。

講演後、社団法人共同通信社のインタビューが設定されており、しばらく同席。花里洋一記者のインタビューに答えて「マンガは、平和の大切さを伝える使命がある」という長崎さんのマンガへの強い想いに感動。

夜7時30分まで、明日の入試説明会の資料作り。入試広報課は、全員遅くまで頑張っている。

2009/6/28 日曜日

● 6月28日(日)晴れ。

カテゴリー: 日記 — takakita @ 22:30:01

朝からずっと溜まり仕事をこなす。午後2時、訛った体をスポーツジムでほぐし、また仕事に戻る。ベランダの植物の水やりで心が和む。

★ 看板ウオッチング 27
「手作りのパンのようなあたたかいパーキング看板」

愛知県半田市の小さな手作りのパン屋さんに、小さなパーキング看板がある。店の前だけでなく、裏のパーキングを知らせる看板を手作りで作ったのだろう。最初は「裏にあります」が知らせたかったのだろうが、それでは表のパーキングが使えないということになるので、後から「も」を加えた。「も」が印象的でほほえましい。

裏という字が間違っていることも、なんだかOKだ。

2009/6/27 土曜日

● 6月27日(土)晴れ。

カテゴリー: 日記 — takakita @ 22:30:18

午後1時、名古屋市中区丸の内のアイリス愛知で開催の「第54回愛知学長懇話会」に出席。愛知学長懇話会は、愛知県の国立、公立大学法人、私学の大学の殆どが参加していえる。

会場に着いたが、何だか様子がおかしい、人気がない。懇話会事務局から「高北学長こちらへいらしてください」とロビーに。「実は懇話会は、11時からに変更になってました」その連絡がファックスされたにも関わらず、ナ行タ行の大学あたりに届いていないという状況。私のほかにもかなりの学長が1時開催のままになっていたという。まあ事務局の大きなミスだが、「起きてしまったことは仕方がない」資料と懇話会内容を確認する。

午後1時30分、同じ丸の内のウエストベスギャラリーコヅカで「三浦篤正展」を観る。三浦さんは愛知県立芸術大学出身だが、1998年の卒展で作品を観て以来好きな作家である。

木、アクリル、顔料でレリーフを構成し、やわらかなうねりを造る。平面と立体、空間の造形認識を行き来して、観る者を不思議な世界に誘ってくれる。今展の作品は、これまでのブルー、グリーンのグラデーションを封印、うねりを静かに押さえている。ベージュ、グレイ系の顔料に雲母が混ぜられ、キラキラとした輝きが垣間見える瞬間がある。作品とともに寡黙な時間を楽しんだ。

地下鉄東山線、伏見駅すぐのギャラリー名芳洞で「塩沢哲弥 人と自然展」を観る。風景があって、人が描かれている。人は幼児の落書きのような線描きで、誰かを特定するものではない。しかしその人々は、働き、遊び、歌い、みな楽しそうだ。作者は「生きがい」を絵のテーマとして、描くことそのものに「生きがい」を重ね合わせている。

伏見駅から南西へ5分、ギャラリーACSで「近藤幸展」を観る。近藤幸(こんどうみゆき)さんは、徳島在住の木版画家。海の中を思わせる神秘的で、大らかで、やさしく美しい作品。具体的なものは描かれていないが、抽象世界のようなクールなものではなく、誰もがスーッと入って行ってしまう居心地の良さがある。

許可を得ての撮影中、アクリル面に作品と重なるように映った自分の影が、作品の中に入り込んだようでいい気分だった。

すぐ東の名古屋画廊で「巨匠にみる『絵とは何か』展No.12」を観る。香月泰男、三岸節子の作品が多く並ぶ中で、オノレ・ドーミエの油彩画と小さなデッサンが飾られており、そのデッサンに釘付けになった。多くの線を走らせている訳ではないが、強い意志のもとに絵の力が凝縮されていた。

同画廊2階では、「生誕110年伊藤廉展」が開催されている。油彩小品と色鉛筆素描作品、フラスコに生けられたパンジーの花がものすごく可愛い。パンジーは、何点も描かれている。数々の大作を残す中で、童心のような作家の可愛い心が描かせるモチーフがあるように思う。

更に東に10分、広小路本町のちさんマンション広小路にある名古屋造形大学LABOXで「名古屋造形大学総合造形コース4年 吉岡ゼミ展覧会 シュウフク 原愛美 隅田舞」を観る。シュウフクは修復の意で、6週間3つの展覧会の共通テーマ。

原愛美(はらまなみ)さんは、アニメーション。エンドレスに流れるストーリーは、生命の永遠性をなぞり、環境修復への願いだろうか。長い周期を短時間で見せ、アニメーションの魅力を引き出している。何十枚も描いた原画を合わせて展示。

隅田舞(すみたまい)さんは、壊されたコンピュータ部品が修復されることを装いながらそこに小さなユートピアを造り出している。細い針金の造形は、線で描かれるように壁に広がり、ハッピーな壁に変えている、楽しい。

同マンションにあるごっと洞に立寄る。ギャラリーコレクション展であるが、こういうのがまた楽しい。池田満寿夫の初期銅版画がデッサン紙に刷られている、小作品だが濃い密度、時間が見えてとてもいい。

大好きな作家、大野俶嵩(おおのひでたか)のリトグラフが1点、目に留まる。晩年の花作品であるが、ただただ感動してボーッとする。ものすごく幸せな気分で画廊を出た。ごっと洞の主人後藤潤一さんは、名古屋造形の卒業生である。

2009/6/26 金曜日

● 6月26日(金)晴れ。

カテゴリー: 日記 — takakita @ 22:00:19

6月は、講演が多く、そのためのパワーポイントなど準備が多く、大変だ。

午後1時、名古屋市中村区の同朋学園本部で人事委員会。2時、所属長会議。3時30分、常任理事会。6時、終了。

★ BOOK IMPRESSION 28

高橋英夫「花から花へ 引用の神話 引用の現在」新潮社発行

花好きで、引用、喩え、パロディの大好きな私は、新聞で著名を見てすぐ注文した本。ところが届いたら、300ページを越える論文。ついつい怖じ気づき、書棚に積んだまま10年が過ぎてしまった。それでもテーマに誘われてようやく読み終えた。

文学はもとより、音楽、美術、芸能とありとあらゆる文化の引用を視野に論考は進められていく。そして当然のことながら、中国はもとより世界へと広がりを持っている。

作者は、このテーマの虜になってしまっており、観るもの、聴くもの、体験するものすべて引用という就縛から逃れられない。それだけに、壮大なエネルギーをもって「引用の世界」を解きほどいていく。

引用はもとより、パロディ、物まね、模倣、滑稽、風刺、ぶれ、変形、転換、置換、反復、流動、移動・・・広い、深い、豊かな一冊である。読み終えて、いわゆる花の話は出て来ないが、「花から花へ」の作者の引用に対する憧憬がなるほどである。

2009/6/25 木曜日

● 6月25日(木)晴れ。

カテゴリー: 日記 — takakita @ 22:40:20

午前11時、ギャラリー運営ワーキング。D-1 gallery、D-2 gallery、D-3galleryの企画展、申し込みの調整。

正午、謝徳会(しゃとくえ)出席のため、理事長はじめ名誉教授の方々が見える。謝徳会とは、本学の母体同朋学園の創立者住田智見(すみだちけん)先生のご命日をご縁として、大学発展に尽くされた方々を慕い、法要を行う。そのことを機会として本学の発展を誓うものである。総礼、勤行、小島隆治理事長の法話。

その後私の話、「名古屋造形大学のルーツ」と題して、1967年、名古屋造形芸術短期大学が創設された頃、尽力された先生を作品とともに紹介する。我妻碧宇先生、森緑水翠先生、鬼頭篁先生、市野長之介先生、西村千太郎先生、辻親造先生、野水信先生、山口実先生、狭間寿郎先生、平岩俊郎先生、松本政雄先生。野水先生は、キャンパスのアプローチに設置されている作品も紹介する。

野水信「凹の記録」

 

野水信「球の断片の中の球」

野水信「女体」

野水信「神殿に」

滞りなく謝徳会が済む。

午後4時20分、教授会。8時55分大学院研究科会議。9時30分終了。10時、執務を終えて大学を出る。

2009/6/24 水曜日

● 6月24日(水)雨のち晴れ。

カテゴリー: 日記 — takakita @ 22:40:54

午前8時30分、雨の中を大学に向かう。大学に着く頃は、雨が上がっていた。

午前9時20分、デザイン理論特講。今日のテーマは「高北幸矢」自分のことを照れながら話す。造形大学にあって、学長がデザイナーで作家であることの意味、重要性を客観的に語りながら、作品を紹介。2限目、大学院ゼミ。

昼休み、すっかり晴れて青空が見える。学生たちの顔も明るい。

午後は、ひたすら執務と明日の謝徳会での講義のためのパワーポイント作り。

午後5時大学を出て、名古屋市東区東桜の愛知芸術文化センターへ。

12階のアートスペースAで「実験映画の長編 & 大作」を観る。サブタイトルに「エンタテイメントよりも深く、味わいのある映像の世界」とある。映画好きでも実験映画となると難しく、しり込みをする人が多い。その心理を突いてのサブである。

全6日開催のスケジュールだが、今日の夕刻ようやくの時間確保である。6時から「石田尚志『フーガの技法』」つづいて「辻直之『影の子供』」、6時50分から「天野天街『トワイライツ』」いずれも愛知芸術文化センターオリジナル作品。愛知芸術文化センターは、毎年オリジナル制作を行なっている、すごい。

お目当ては、「天野天街『トワイライツ』」。天野さんは、劇団「少年王者館」の主宰・演出家、演劇ファンはもとより音楽ファン、美術ファンにも人気の人。無声映画時代を思わせる作品で、セリフは殆どが文字。物語は主人公「トウヤ」が自分自身の死に立ち合うところから始まり、想い出をたどりながら自分探し、過去、現在、未来を行き来しながらのシュールなシーンがグングン観る者を引っ張っていく。

圧巻は、最終シーン、町並みを左から右へ歩いて行くトウヤに次々と楽しいハプニングが起きていく。ワクワクさせながら次へつながって行く、絵本のようなアニメーションのような、夢の世界だ。

終了後、制作者で愛知芸術文化センター学芸員の越後谷卓司さんに聞く。「撮影場所は、愛知県、三重県などの時代に取り残された町あちこち、撮影後すぐ取り壊されたところもあります。」どおりでひときわ懐かしく、キュンと来たはずである。

7時30分から「スタン・ブラッケージ『DOG STAR MAN』」78分、ずーっとノイズのような抽象パターン、ミス映像のようなものが続く、少しずつ少しずつリアルなものに変容していく、観る側に映像に対する強い好奇心が求められた。

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