2009/1/31 土曜日

● 1月31日(土)晴れ。

カテゴリー: 日記 — takakita @ 23:55:03

本日一般入試(前期日程)、大学で開催される最も多数の受験生に対応する入試である。同時に社会人入試、外国人入試も行われる。

午後5時、無事終了。終了を確認して、岐阜市にあるショッピングセンター・カラフルタウン太陽の広場へ。5時50分、「第10回岐阜工業高校デザイン工学科卒業制作展」を観る。

ショッピングセンターのイベントコートと言う場所なので、多くの人の目に止まっている。華やかな中での開催である。高校の卒展というのは、どんどん進化していくものであることを今年は感じている。どう見せるかということも、先生方を中心に充分考慮されたことがわかる。

ポスターは、遠距離から視認することが可能で、そのインパクトを与えている。家具作品は、周辺空間にゆとりをとり、家具が置かれる空間イメージを捉えやすくして見せている。生徒たちも、自らの作品を誇らしげに説明にあたったり、会場の雰囲気を盛り上げている。

2009/1/30 金曜日

● 1月30日(金)曇りのち雨。

カテゴリー: 日記 — takakita @ 23:55:58

午前10時、自宅を出て三重県津市の三重県美術館へ。11時、県民ギャラリーで「第20回卒業制作展三重県立飯野高校応用デザイン科」を観る。

応用デザイン科では、日本画、洋画、彫刻、グラフィックデザイン、コンピュータグラフィックス、服飾デザインと多彩な領域を発表、それぞれ質の高い作品を発表している。彫刻などきちんと基礎を押さえているがゆえの力強い表現に驚く。グラフィックデザインでは、イラストレーション表現への追求が深く、溢れる個性に見応えがある。

展示空間も美しく、美術館ギャラリーという恵まれた会場を見事に生かしている。服飾デザインコースも気合いが入っている。

美術館では、「哀歓と詩情の画家 山口薫展」が開催中。

山口薫は、戦前、戦中、戦後に活躍した日本洋画界の中心人物。1930年の学生時代から1968年絶筆まで、画家の創作史を見るような展覧会だ。情熱と勢いの時代から戦中の苦悩の時代、戦後、1950年代になって山口のほっとする抜けた作品に巡り合える。空間が一気に描かれて来る。絶筆(看板の作品)の「おぼろ月に輪舞する子供達」は、戦争を含めた激しい時代を生きた画家の最後に辿り着いた安息の地として、自らの葬送である。いつまでも眺めていたい絵だ。

すぐ近くの三重画廊に立寄る、「島橋宗文展」を観る。島橋さんは母校三重大学の先輩で新制作協会会員である。長く田園に立ち竦む牛を描かれていたが、近年は田園を遠景として捉え、そこから牛は描かれなくなっている。しかしずっと島橋作品を拝見してきた私には、そこに牛を見ることができる。大胆な色面の向こうになつかしい風景が浮かび上がる。

伊勢自動車道、名阪自動車道、名古屋高速道、名神と乗り継いで大垣市へ。午後2時、ロックシティ大垣で「岐阜県立大垣工業高等学校産業デザイン科 卒業制作展」を観る。

毎年卒業制作展を拝見しているが、今年の作品は群を抜いて完成度が高く迫力を感じる。先生の「学長、いつもご覧いただいてきましたが、来年はありません。これが最後の卒業生です。」

リーフレットには、「・・・今年度の卒業生を最後に閉科することになりました。・・・38名の卒業生は『死に花を咲かせる』を合言葉にデザインと真剣に向き合ってきました。・・・休日を返上し、寝る時間を惜しんで制作した作品は、彼らにものを作り上げることの厳しさと、すべてをかけて作りこんだ作品が完成した時の達成感を与えてくれたように想います。・・・」と綴られていた。言葉を噛みしめるようにもう一度作品を拝見した。ものづくりは感動を造る。

大学に戻り午後4時、執行部会議。夜7時、終了。冷たい雨が降っていた。

2009/1/29 木曜日

● 1月29日(木)晴れ。

カテゴリー: 日記 — takakita @ 23:55:10

午前10時、大学院研究科修了制作口答諮問、一人30分ずつ行なう。洋画の高橋遥(たかはしはるか)さんは、ドイツ・バウハウス大学に短期交換留学生中でワイマールからスカイプで口答諮問。初めてのケースであるが、無事終了。高橋さんも元気そうだった。

昼食後、暖かい春の日差しに誘われてキャンパスを散歩。植物見本園では、八重の紅梅が咲き始めた。梅の季節が始まったが、白梅はまだである。

東の土手には、オオイヌノフグリが枯れ草の中に水色の花プリントを描くように咲いている。いつも春を一番に連れて来る妖精のようだ。かわいい。

午後1時、キャンパス内で話題の交流造形コース、メディア造形コース2年次修了展「LV.1(レベルワン)展」をまだ半分見残しているので、マップを片手に鑑賞巡り。

学食の前の芝生には、大きな糸巻きのような作品が2つ。「回<ころん>」かわいいタイトルだ。福引きのイメージで中に当たりの造形がある。井上麻奈美さん、張祐寿(ちゃんゆす)さん、吉沢由希子さんの共作。春の陽に輝いている。

C棟7階(C棟に7階はなかったはずだが)というマップにしたがって行くと。屋上に出る手前に小さなフロアがあって、薄暗い誰も訪れない場所に作品が置かれている、妖しい。加藤佑典君の「新たな形」陶芸でひとつひとつ丁寧に造ったジグソーパズル、そこにキノコが生えている。コメントは「もし誰も来ないような場所に作品を置いたら、作品に何か生えてきそうな気がする・・・」納得。素晴らしいコンセプトだ。できるだけ多くの人の目につくようにという考えがポピュラーだが、逆の発想もありで、そこから新たな創造が生まれる。

外周道路北面に使用済みの小屋があり、2人がそこを改装して展示室にしている。

小寺歩美(こでらあゆみ)さんは、切り絵を壁面に展示、空間にピンクのフレームを吊り下げ、フレームを通して切り絵を鑑賞する。普段意識の弱いフレームが空間に取り出されることにより、作品として意識される。小屋が微妙に傾いていて、切り絵との関係性が危うくおもしろい。

山本栄実(やまもとはるみ)さんは、ブラックライトにペーパーフラワーが添えられている。生命感のない紙の花がファンタジックな世界で主役になる、美しいステージの1シーンのようだ。

2009/1/28 水曜日

● 1月28日(水)晴れ。

カテゴリー: 日記 — takakita @ 23:55:28

本日夕方、建築・空間デザイン、インテリアデザインコースのスタディの展覧会「GATE」展オープンニングに出席予定なので、大好きな建築家ガウディのサグラダ・ファミリアのバッジをして出かける。

早い昼食を済ませて多治見市へ。午後1時20分、多治見市文化会館で「平成20年度多治見工業高等学校卒展」を観る。

1階でデザイン科、2階で電気システム科、電子機械科、セラミック科が展示されている。開場は、3時からで飾り付けの最中である。それはそれで活気があって楽しい。先生に了解を得て見学、取材。

ポスターの完成度が極めて高く、今年は多治見市内に実際にあるお店や、暮らしの中で使われている商品の広告を、きちんとリアリティのあるものにデザインしている。表現もそれに付き添うように迷いのない時間が費やされている。セラミック科の陶芸も、自由な気分が漲っており、見応えがある。

午後3時、名古屋市中区錦の伽藍洞ギャラリーで「磯見輝夫展」を観る。磯見さんは、愛知県立芸術大学学長で、昨年度平成19年度名古屋市芸術特賞を受賞、その記念展である。

「動揺する風景/版の投影」とサブタイトルが添えられていて、主に発表されてきた木版画とドゥローイングを出品している。抽象画とも思える印象を与えるが、じっと観ているとなつかしい風景に出合ったような、デジャブ感がある。激しく、やさしく、風景の持つ力が見えてくる。

3時30分、中区栄の国際デザインセンター・デザインギャラリーで「第14回GATE展」を観る。名古屋造形大学建築・空間デザインコース2、3年と建築デザインコース、インテリアデザインコース1年のスタディである。

1年は交番、2年は茶室、3年は駅、病院等の複合施設への提案を、図面、パーススケッチ、模型によって見せている。空間設計は、コンセプトを空間造形として見えるものにして行く行為。観る側もじっくりと構えてコンセプトの読み込みが求められる。

夕方5時、中区広小路沿いの丸善4階にある丸善ギャラリーで明日から始まる「第46回ねんげ俳画展」搬入・飾り付け。毎年のことであるが、俳画を持参、額装から始めるのでなかなか大変だ。

例年8点出品しているが、今年は6点、時間が充分に取れない日々が続いている。6点の展示を終えホッとする。

6時、再び国際デザインセンター・デザインギャラリーに戻って「第14回GATE展」オープンニングパーティに出席。挨拶は「この地域で建築・空間関係分野をもつ大学は多数ありますが、作品発表をしている大学は他にありません。作品発表は、建築家、デザイナーとして活躍していく未来で、絶対必要なプレゼンテーションの形です。デザインセンターという素晴らしいステージを一層励みとしてください。」

7時、丸善裏の居酒屋「八幡屋」でねんげ俳画展搬入打ち上げ、寄せなべをつついてなごやかな時間が流れる。

2009/1/27 火曜日

● 1月27日(火)晴れ。

カテゴリー: 日記 — takakita @ 23:55:15

午前中、半田市景観アドバイザー。

午後4時26分、名鉄金山駅から吉良吉田行きに乗って、西尾駅。西尾から車で幡豆の株式会社イナテックにあるコスミックギャラリーへ。開催中の「加藤鉦次作品展」オープンニングに出席。コスミックギャラリーは、株式会社イナテックの企業メセナとして、私がプロデュースしているもので、19年目を迎えている。

加藤鉦次さんは、名古屋造形の教授で新制作協会会員、そのほか多様な機会に積極的に作品を発表、作家活動を続けている。近作200号数点を中心に発表、迫力ある会場を構成している。

私の挨拶は「経済景気が不調の中で、こういう時代こそアートが力になるときである。景気が良いから贅沢な絵画を買うと言う発想はおかしい。厳しい時代に私たちに生きる力を与えてくれるのが、アート。加藤先生の作品は、内なる心象風景を描いていますが、正に私たちに力を与えてくれる作品です。」

2009/1/26 月曜日

● 1月26日(月)晴れ。

カテゴリー: 日記 — takakita @ 23:55:40

12時10分、入試委員会。

2時30分、キャンパス内で話題の交流造形コース、メディア造形コース2年次修了展「LV.1(レベルワン)展」が開催中。Dギャラリーに行くと案内マップが置かれており、それを持ってキャンパス内のあちこちに展示されている作品を観て回るという訳である。

ヨシザワユキコさんは、B棟2階の廊下のアイストップに突出するように壁面展示。一瞬CGのように壁が盛り上がってきたような錯覚を起こす。じっと観ているとまた平面に観えてきたり、不思議な作品である。灰色の色彩が成功要因の一つである。

柗本唯(まつもとゆい)さんは、キャンパスの樹に仕掛けられたインスタレーション。鮮やかな色が風景の中で強いインパクトを与えている。下に立って中を覗くことができる。何が見えるか?ユートライだ。

井上麻奈美(いのうえまなみ)さんは、映像作品。「Day dream」白昼夢、主人公(ボク)は彼女を亡くしてから、毎日彼女の夢を見る。美しい映像で観ている内にその映像の中に溶けていきそうだ。観覧パンフレットがまた美しく、エディトリアルデザインとしても完成度が高い。

午後3時、ギャラリー運営ワーキング。3時45分、判定教授会。5時終了。

6時20分、名古屋市中区栄の東急インで愛知芸術文化協会 (ANET)の新春懇親会。名誉教授の寺光彦先生、石黒鏘二先生、卒業生で活躍されている方たちにお会い出来る貴重な機会でもある。書き初め大会や、漢字熟語ビンゴなど愛知芸術文化協会ならではの企画に、楽しい時を過ごした。

2009/1/25 日曜日

● 1月25日(日)晴れ。

カテゴリー: 日記 — takakita @ 23:55:03

午後3時、名古屋市東区の名古屋市民ギャラリー矢田で「ファン・デ・ナゴヤ美術展『Finder』」を観る。ファン・デ・ナゴヤ美術展は毎年開催されているもので、企画プランの公募によって決定されている。今展は、ブラジル移民100周年記念事業が重なってのテーマとなっている。企画者は長谷川哲さん。元名古屋造形の教員で、親しい間柄である。

出品者は、長谷川哲、判治佐江子、真月洋子、平山清隆、日経ブラジル人作家として、Kenji ota、Miguel Chikaoka、Fabio Okamoto。真月さんは、名古屋造形の卒業生である。

「Finder」は、カメラのファインダー、ファインダーを通して対象物をどう見つめたか。圧倒的にモノトーンの表現に行き着いているのは、偶然ではあるまい。対象物を見つめ究めていくとき、そこに鮮やかな色彩が語り過ぎることを排除する力が働く。また、対象物としてあるものを見せるのではなく、作家の全身体を通して再構成されている力が映し出されている。

デジタルカメラの多くは、ファインダーを覗くという行為から遠ざかるが、映像に残すという意識がどれだけ執念深く持ち込めるかどうかだ。力強い「Finder」展である。

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