11月17日(金)国立がん研究センターとの共同研究している環境省研究プロジェクトの打ち合わせのため福島へ行ってきました。このプロジェクトは渡邊先生のコミュニケーションデザインゼミが現在研究している項目で「放射線の健康影響に係る研究調査事業」にて、インフォグラフィックスを活用した効果的なリスクコミュニケーション技術の開発を行なっています(会議中の写真が無くて・・・昼ご飯の写真しかありません)
簡単にいうと「放射線による健康影響」という難しい課題、たとえば放射線の基礎知識やそれらが私たちの生活や身体にどのように作用し影響を与えるか?という難しい事を、ちゃんと理解していただくための教材の開発です。震災によって大きくクローズアップされた放射線による問題は、日本人にとってとても関心の高い項目ですが、それらの知識を正確に知り理解している人は実はそんなにいないのでは無いでしょうか?
例えば造形大学のような美術系大学の学生達にとってみれば、放射線とは何か?それによる健康との関係は?と言われてもピンと来ない学生が大半だと思います。しかし放射線の問題が福島原発で起こった以上、それらに関する知識は持っておく必要があるかと思うのですが、内容は複雑で難しい・・・そこでそれをより理解しやすくするにはどのような教材が必要か?を考えるのがこの研究です。
造形大学では、難しい内容をインフォグラフィックス、要するにグラフィカルなイメージと、アニメーションやインタラクティブ性などを組み合わせてより理解しやすくした教材の開発を目指しています。この日は関係する方々が集まり、今まで取り組んできた内容の報告と、それらによる問題点の洗い出しなどが行なわれました。まだまだ開発段階で課題も多く難しい内容だと感じますが、ゼミ生達には今後も教材開発に注力してもらいたいと思います!
11月15日(水)写真はゲームデザインゼミと3DCGゼミの制作風景です。コース展「デジタルメディアデザイン展」が来週という事もあって、各ゼミでは最後の追い込みで大忙しですね。デジタルメディアデザイン展は1年から4年まで、コース在籍の学生全員が参加する展覧会で、4年は卒業制作作品の展示、1〜3年は進級の過程で必ず出展する事にしています。
ゼミ以外の1年、2年は他の授業や課題の合間に展示内容の作品を制作しているので、ゼミ生より実は時間割が大変です。かわりに出展内容は実習授業の課題を出展に耐えれる状態へ昇華する事でも構わないようにしています。それでも今年は自主制作を出展する学生が多い傾向で、数年前と比べると出展への意識がずいぶんと変ってきた印象ですね。低学年から展示に自主性を持ってる学生が増えているのはコースとして良い事だと思います。
11月14日(火)そろそろコース展「デジタルメディアデザイン展」が近づいてきて各アトリエでは制作に追われるゼミ生達がせわしなく制作と研究に打ち込んでいます。インターフェースゼミではこのほど導入した3Dプリンターで早速プロトタイプの制作を続けて来ました。そもそも3Dプリンターの導入を急いだ訳は、スイッチで制作してきた独楽の作品「まわる、うつる、ひろがる」の独楽本体が長年の使用で破損が目立ってきて使用不能となる個体が出始めてきて運用がままならなくなってきたからです。
実はこの作品、来年で9年目を迎えます。展示で荒く扱われるだけにそれなりの強度が必要なのですが、初代は1回の展示で木製の筐体が全滅、電子基板はその後2年で再設計を行い、2世代目を改善しながら去年まで使ってきました。3Dプリンターが安価になってきた頃から設計をやり直そうと考えてはいましたが、他の事も色々忙しく、ついに使えなくなる所まで来てしまったため、早急に3世代目の開発が必要になりました。改良型の3世代目を「デジタルメディアデザイン展」に出展する事も決定しているので、動作させるところまでなんとかしたいと日夜ゼミ生の伊藤くんが開発を続けています。
独楽を回す事が作品を動作させるトリガーなので、電子基板にも結構負担がかかります。なのでプリント基板を専用設計して発注しました。以前までのユニバーサル基盤と違って結線等が少なくなるのでエラーが少なくなります。基盤や電池をおさめる筐体を3Dプリンターで制作、さらに独楽本体も今回は3Dプリンターで製造しています。独楽自体は木製が良いとの意見も多いのですが、とりあえず今回はすべてを3Dプリンターで制作しました。今後は木と3Dプリンターのハイブリッドモデルも開発する予定です。
11月10日(金)写真は2年生のペルティエ先生の授業、ゲームデザインの様子です。この授業ではボードゲームを体験するところから、実際にボードゲームを作ったりと、ゲームを作るうえで必要なルール作りやストーリ作りなどを盛り込んだカリキュラムで運営されています。そしてもちろんデジタルゲームの制作も組み込まれており、授業ではゲームエンジンUnityを使ったゲーム制作の実習も行なわれます。
アナログゲームからデジタルゲームまで、今ではスマートフォンでもゲームを楽しむ人が多くなってきており、ゲームの需要は多岐にわたっています。なによりゲームに必要な要素やスキルもそれこそ多岐にわたっていて、ゲーム制作に関わるといってもどのポジションに自分がいるべきなのか?というのも結構重要ですよね。
ゲームにとって大事なのは物語やルールそれに目的かなと思いますが、それらに対してキャラクターやビジュアル、動き、音、プログラムなどの要素が肉付けされてコンテンツとしての強度を持ってきます。そう思うと物語やルールそれに目的を構成するにはディレクション能力が求められますし、キャラクターやビジュアルではキャラクターデザインや描写力が求められます。動き、音、プログラムではアプリケーションの使い方やプログラミングといった技術力が求められます。このようにゲームといっても色々なスキルが集まって出来る事が多いので、一人で制作するというよりもチーム制作が多いジャンルかなと思います。
メディアデザインコースではゲームを中核としたゼミを3年4年で展開していますので、この授業で基礎を学んだ後、ゲームに興味ある人はゼミに入って本格的なゲーム制作を通じた研究を行なう事になります。
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