後半〜 ツール完成と応用まで たかひこん@デジタルメディアデザインコース
前半に書いたような紆余曲折があってビジュアル案が出来上がり結果的にめでたくコンペで選ばれましたが、本当に大変なのはこの後の作業だったりします、つまり選ばれたという事は様々なツールにそれらのビジュアルが使われるという事で、実際に使うポスターやフライヤーのデザインを手がける事になります。コンペに出したものはあくまで仮組したものなので、実際に使うために必要な情報を入れ組み直す必要があります。卒業制作作品の制作とは別に卒展ビジュアル関連のグラフィックデザインを全て落葉さんが行いました。
例えば基本となるポスターとフライヤーに関しては、200人あまりの学生達の名前からプログラムで生成されたビジュアルがちりばめられていますが、大きさや位置、それに色のバランスなどを配慮しながら、そこに必要な文字情報を入れています。タイトル一つにしても入れ方に苦慮し数十パターンを作っています。斜角のついた文字構成ですが、文字フォントの選定はもちろんのこと角度の微妙な調整や字間なども細かく調整してます。
特に今回何度もやり直したのは表面下の日時などの情報と、裏面の公開講座などの文字組と構成・・・少し変えては何度もプリントアウトしてチェックを繰り返し、時にはざっくりとやり直しをしてみたりと結果的に40パターンほど作っていたのではないでしょうか。たかがポスターされどポスター、ビジュアルコンセプトから最終構成まで全てを手がけるとなるとやはり相当な工数が必要になります。
おおよそポスターやフライヤーが決まって来たら、その他の封筒や会場看板などのツールも手がけます、さらに会場で配るグッズのパッケージもデザインしてもらっています、レーザーカッターで切断してパッケージを作った記事を以前書きましたが、パッケージのビジュアルも落葉さんに制作してもらってます。会場入り口の看板や、会場にぶらさがっていた布のバナーももちろん彼女によってデザインされています、ゼミでもいろいろと意見を交換しながら微調整をかけ仕上げていきました。
さらに今回、コンセプトの「原石」から出来上がったビジュアルがプログラムによって生成される事もあって、この仕組みを使ったワークショップを会場で行なう事になりました。可児君のプログラムは文字列から原石(宝石)のビジュアルを生成する事ができます、なので名前を打ち込んでもらって出来上がる宝石を使ったオリジナル缶バッチを制作する事になりました。手順は画面に名前などの文字を打ち込んで原石(宝石)をまず作り、それをIllustratorのフォーマットファイルに張り付け、缶バッチのデザインに仕上げ、プリントアウトしてその場で缶バッチを作るというものですが、当日スタッフに入る他コースの学生にとっては案外この手順が難しいという事で、4年生の藤井さん、加藤さんに細かな手順書を作ってもらいました、その検証時の記事はこちらにあります。
ということで、今回の卒展ビジュアルは、最初の「一人一人が原石」というコンセプトからビジュアルの制作、ツールの仕上げ、そしてワークショップなど一環した流れが組み込まれていて、手前味噌ではありますがよく出来たんじゃないかなと思います、デザインはまさに設計ですからね、グラフィックデザインの面白さを関わった学生達も楽しんだと思います。
デザインが出来るまでの紆余曲折 たかひこん@デジタルメディアデザインコース
第23回名古屋造形大学卒展、第12回大学院修了展 で今回使われたビジュアルイメージおよびデザインは、学内コンペディションにより選出されています。学内コンペディションに応募できる対象は卒展に出展する4年生で、今年は20ほどの案が提出され、投票の結果、デジタルメディアデザインコース4年生の落葉麻由美さんの案が採用されました。
実はコンペに応募するにあたっては紆余曲折ありました。まず最初にビジュアルにするためのコンセプトとして、卒業生個々の個性をイメージにしたいということで「一人一人が原石」というところからスタート、イメージに落としこむ作業で最初は約200人分の原石のイメージを手描きしていました・・・
が、ちょっと途方も無い方法に見兼ねて(笑)まず彼等の個性を主観的に抽出して絵にするのは無理じゃない?って事で、200人を客観的に簡単に個別認識する方法は何か?たとえば「名前」とか「顔」とかそういう素材を使えば?とアドバイスしました。
次に名前を使ってビジュアル化してみようという事になり、今度はIllustratorで名前を打ち込んだフォントのアウトラインを使って右往左往しはじめました(笑)もともとグラフィックデザイン系だった彼女はIllustratorやPhotoshopといったソフトウエアの扱いは得意でしたが、逆にそれ以外のツールで作成するというイメージがなかなか繋がらなかったようで、延々とレイヤーに組み合わせを乗っけていましたが、これもちょっと見兼ねて・・・もちろんIllustratorでスクリプトを組めばルール作りはできるのですが、プログラムはプログラムの得意な人がやれば良いという事で、ちょうどアトリエの隣の席に院生の可児君がいたので、名前からビジュアルをopen Frame worksで自動生成するツール作れないか相談してみたら?と言ってみました。
院生の可児君は普段からプログラムによるインタラクティブコンテンツやビジュアライザーの制作に取り組んでいて、過去には文字を素材にしたスクリプトも組んでいたので、今回のビジュアル生成には適任でした、学生達の名前の文字情報からどのようにビジュアルを抽出したかは、彼のtumblrに詳しく載っていますので、興味ある方はのぞいてみてください。
また落葉さんの記事もこちらにあります。
ということで、いろいろありましたが無事ビジュアルまで制作する事ができました、後半はこれをツールにするところを記事にしたいと思います。
後編へつづく
新しい入力方法でゲームをしてみる たかひこん@デジタルメディアデザインコース
10月28日、大垣桜高校の皆さんがデジタルメディアデザインコース・ゲームデザインゼミへワークショップ体験に来られました。今回のワークショップを主導したのはペルティエ先生で、ワークショップ運営の助手をゲームデザインゼミ(ペルティエ先生のゼミ)のセミ生達が担当しました。
ゲームと言えばPS4やWiiUなどのビデオゲーム機に代表されるようなゲームパッドによる操作を思い浮かべる方が多いと思いますが、最近はスマートフォンで出来るゲームなども増え、タッチパネルを応用したタッチやスワイプなどで操作するゲームも増えてきました。それに加えてWiiやXboxなどのビデオゲーム機には従来のゲームパッドとは別に、コントローラーを自由に動かすWiiコントローラーや人の動きに反応するKINECTセンサー等を使った新たな入力装置を備えるゲーム機も登場しています。
そんなゲームの流れのなかで最近様々な入力機器や映像出力機器が登場し、業界では実験的なコンテンツなども出始めています。今回のワークショップでは次世代の入力機器として挙げられる空中で操作できるLeap Motionや、筋肉の筋電を利用したMyo、視線の動きを利用するtobiiなどを使ったゲームの操作や様々なコンテンツの操作を実際に体験してもらい、これからのゲームの可能性をレクチャーしました。
10月15日(金)「NEXT COMMUNICATION FORUM 2015」のオンキャンパスセミナーを本校デジタルメディアデザインコースで開講していただきました。
「NEXT COMMUNICATION FORUM 2015」は産官学連携で東海地域における豊かなコミュニケーション文化の創造を目指す事を目的にされている活動で、今回はNTT Docomoの社員さんが講師として来校され、現在のモバイル市場や未来のモバイルの動向など日々の業務から得られた知識を講義していただくプログラム「オンキャンパスセミナー」をデジタルメディアデザインコースのペルティエ先生担当のゼミ生と2年1年の学生にしていただきました。
スマートフォンなどの携帯端末をはじめとしたネットワーク端末を普段から持ち歩く生活は、現代人にとって無くてはならない存在となりました。過去を振り返れば電話機を持ち歩きいつでもどこでも電話が出来る無線電話機から今現在に至まで革新的な進化を遂げて来た技術の一つだと思います。そんな技術に裏付けされたモバイル端末やウエアラブルデバイスはこれからも私たちの生活には欠かせない存在であり続けるでしょう、そしてそれら端末の技術やネットワークインフラを応用する事で新たなビジネスやデザインが日々産まれています、デザインを学ぶうえで、こういった技術によってもたらされる新たなデザインやサービスを念頭においてプランニングやマーケティング、あるいは制作・研究を行なう事はデザイン系大学ではもはやあたりまえになりつつあります、日々変化していく社会状況にあわせてデザインを捉え直し新たなデザインを産み出す事は今や若い世代には必然。今回の講義ではそんな現代社会におけるスマートフォンやネットワークインフラを応用した新しい事例を数多く紹介していただき、またビジネスの裏側で何が行なわれているのかや、アンケート等から得られたデータに基づいたモバイル端末の市場の動向などをプレゼンテーションしていただきました。
プレゼンテーション たかひこん@デジタルメディアデザインコース
5月27日、Game design seminar(ペルティエ先生担当ゼミ)のプレゼンテーションが行なわれました、プログラミングを主にしたゲームやインタラクティブコンテンツ、モバイルフォンコンテンツなどを制作するゼミです。この4月からデジタルメディアデザインコースの専任とし来られたペルティエ先生はプログラミングが専門で、ゼミではグループワークから個人ワークまで様々なコンテンツ制作の提案にそれぞれペルティエ先生なりのやり方が反映している感じでした!
特にグループワークはこれから詰めて行く必要があるにしても、それぞれの得意や、やりたい事と社会ニーズに必要な新しいコンテンツのあり方などの提案性をうまく盛り込んだ形のプレゼンテーションとなっていて、ちょっと今までになかった新しいゼミの形が出来そうな予感です。
ゲームデザインゼミの発表後には大学院生の発表もありました、大学院生は研究課題を自分達で見つけ、それについて研究をすすめていますが、それぞれ院生としての提案性はまだこれからという感じだとは思いますが、さらに提案には院生としての強度をコースとしても求めて行きたいなと思いました。名古屋造形大学はまだまだ大学院の存在感が薄くて、院生達の問題という以前に、大学としてもっとしっかりとした組織作りがやはり必要だなとコースでは感じています。
この翌日には3DCG seminar(岩田先生担当ゼミ)の発表が行なわれたのですが、残念ながら出張で取材に入れず記事にできませんでした・・また追ってゼミの制作の様子などでお伝えしたいと思います。
3人だけだけど・・・ たかひこん@デジタルメディアデザインコース
5月20日、Interface design seminar(外山担当ゼミ)のプレゼンテーションを行いました、今年のゼミ生はたった3人・・・まぁしょうがない、それも人生。インターフェース関連やインタラクティブ関係が中心のゼミとして展開していますが、ゲームでも無いのであんまり人気無いんですよね(笑)これからはデジタルサイネージ関連もやって行こうかと思っていて、今回ゼミ生にも4Kディスプレイを利用したサイネージインフォメーションの提案がありました。
あとは、これから需要が見込まれる可能性があるものとしてVRやARといった新しい視覚体験のコンテンツ開発の研究の提案もあります、この辺りは今後の少し動向をみていきたいジャンルでもあるので、少ないながらもゼミ生達には是非今回の提案を実現してほしいなと思っています。
プレゼンテーション たかひこん@デジタルメディアデザインコース
「Prologue exhibition 2015」の第1週目が始まりました、初日の月曜日は、池田先生担当のゼミ「Sequential media design seminar」のプレゼンテーションと上山先生担当のゼミ「Sound & MediaArt seminar」(サウンド&メディアアートゼミ)のプレゼンテーションが行なわれました。
Sequential media design seminarは主に映像を主軸としたゼミです、時間軸に沿った映像表現が多いので、今回のプレゼンテーションで多かったのはまずどのような物語の作品を制作するのかといったプロット作業の報告が主でした、映像といっても実写やアニメーションなど様々なので、それぞれの表現にあった技法を使えば良いと思いますが、技法と物語との両立もやはり大切な部分ですよね。全体的に向かう方向性は決まっていましたが、特に4年生はこれが学生時代最後の制作という事もあるので、プロット作業は慎重に行なっている感じでした。
Sound & MediaArt seminarでは、音やメディアアート作品を主にするゼミです。様々な表現方法がありますが、その中でも音や音楽という領域を研究していくという学生はまだまだ全体的に少ない感じですが、例えば映像はじめインタラクティブコンテンツなどにおいてもサウンドデザインは実は重要です、ですので音に関する研究を行なう人がもう少し居るといいのになと思います。
2つのゼミのプレゼンテーションでは質疑応答で結構意見などが出てました、担当の池田先生や上山先生からもボリュームのある意見がそれぞれの学生に述べられていてかなり充実したプレゼンテーションになったかと思います。プレゼンテーション途中にツバメが2羽迷い込むというハプニングがありましたが(笑)長丁場のゼミプレゼンみなさんお疲れさまでした!
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