医療とデザイン

科研費でデザインの研究

医師は絵や図を描くことや見やすくわかりやすいデザイン・レイアウトをするための専門のトレーニングをしていないため、医療の現場では、医師が細かく丁寧に紙にペンで絵や文字を書きながら説明しても、患者にとってはわかりにくい説明になってしまっています。

この問題を解決するためにメディアデザインコースの渡邊敏之教授と外山貴彦准教授の2人は、国立がん研究センター東病院の伊藤雅昭医師(博士)とともに、医師と患者とのコミュニケーションを円滑にするためのツール開発をめざして研究を行っています。この研究は、文部科学省の科研費(科学研究費助成事業)の研究※1 として採択されています。

現在開発中のツールの特徴は、説明用のモニターやタブレット画面にカラダの中の様々な部位をシンプルなイラストで表現してあり、医師が画面上に丸をつけたり、線を引いたりと少しだけ描き加えながら患者に説明できるように作られていることです。また手術などでインフォームドコンセントを行う際、複雑なプロセスの説明が必要な内容をアニメーションで見せることで、短い時間で理解でき、患者の負担を軽くできるように考慮されています。
※1:「患者面談用インフォアニメディアの創設に関する研究」 基盤研究(C) 24603027

コミュニケーションのデザイン

医師と患者では事前知識のギャップが存在します。普通の人である患者は、日常的にはカラダの中のことについてよく知りません。逆に専門家である医師はカラダの中のことを詳しく知っています。このような両者間のコミュニケーションを円滑にしていく必要がある場面が医療の現場ではとてもたくさんあるのです。

メディアデザインの考え方や技術、イラストやアニメーションなどの表現は、こういったギャップを改善、解決できる可能性を秘めています。医療とアートやデザイン分野は一見、つながらないかもしれませんが、今後、さらに広く応用・展開されていくかもしれません。

研究とゼミ、プロジェクト

これらの研究には、渡邊教授のコミュニケーションデザインゼミの学生が多く参加し、医療現場での観察撮影や実験、ツールのためのイラストやアニメーションの制作、表現についてのアンケート実施など様々な場面で活躍しています。このような緊張感のある医療現場での問題解決の研究プロジェクトに直接参加することで、学生たちは短期間に大きく成長していきます。

現在、大腸がんの患者さん向けツールがほぼ完成し、病院の現場で医師のサポートツールとして活躍が始まります。今後は他の部位のがん患者さん向けの説明ツールや、内視鏡診断向けのツールなどへと研究を進めていく予定です。

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